詩バージョン

 

夏(インプレッション)

 

 夏は巨大な曲がり角 

 先など見えない暑いかたまりがまっしぐらにぶつかってくるもの

 

熱風を潜(くぐ)り抜け真っ青な空と群青の海を一直線に飛び越えてゆくもの

 

見えないままにはじまり人はその中に疾走する影 

何度も打ちつける明暗の高波 

世間を崖から落とし

遠い波しぶきへまっさらにまじりあうことを省みない泡 

 

それを超えるごとに人は青い風景の発露とつながる 

 

太陽を裸にし日射のもとでさらしあった記憶へと 

再び迎えるとき

思い出の濃淡は心の器に色濃く捌けて さざめく夏の響きを またもう一度

耳元に思い出しているもの

 

 

  ※

 

昔書いた詩を少しだけ散文よりにアレンジ。

 

原詩が下

 

 

 

 

 

今、思うと完全に印象詩。抽象的、観念的。