パブリックの目に耐えられる詩をもっと読みたい。

 

 

poetry "People You Love" by Robert Montgomery

 

 

 何気にBBCで現代アート特集を観ていたのですが、取り上げられていた何人かの(現代アーティスト達の)中に、ロバート・モンゴメリーというテキスト・アーティストがいました。

 

 さまざまな文字を公共の場でアート作品として展示しています。(これは多くの詩人にとって涎が出るほどうらやましい…を通り越して羨望に値することだと思います)

 材料・方法も、電光(ネオン)・火炎(フレーム)・貼り紙・ビルボード式など多種多様で、飽きることがありません。(マテリアルとしての意味も作品に敷衍させています)。

 外国の詩は、政治性、社会性に結び付くものも多くパブリック・スペースと相性がいいのかもしれません。

 

 

 

 英国人ですので、当然、英語で書かれたポエムですが、作品群へのリンクです。

 すべて公共のストリートで表現されたもの。(視覚情報とコンセプトを思うだけでもおもしろいと思いますが、なんとなくの感じはわかるかと思います)

モンゴメリー作品(英語)

 

 写真はこちら(ふつうにググれば、さまざまな作品が見れてしまうので、いくつか貼り付けてみます)

 

 

 

 

 考えてみれば、街中で見かける文字は(標識を除けば)ほとんどがビルボードであって、ほぼほぼ資本主義・商業主義と結びついています。商業主義=お金儲け・企業利益主義ですね。

 

 なかなか気の利いた文字だな、とかユーモアのある文字、心温まる文字、一家言的な文字、いろいろありますが…どれも完璧に文字の意味だけで独立しておらず、キャピタリズムに支配されているアドバータイズメント(広告)、と気づけば少し、げんなりとしてしまうかもしれません。

 

 これもリアリティということでしょう。このアーティストはそこをジョークと皮肉でアート化して、乗り超えていこうという側面を見せています。

 

 彼自身文字アートを収入にしていることがまた皮肉なのですが、それを含めた巨視的な目で気づかせる、というところまでが彼のアート哲学なのでしょう…ふつうにロゴ入りのTシャツを販売しているし…(最終的には彼の作業はアートに集約されているということで街中にあるビルボードと差別化できます。町や都市にいつもと違う意識を持たせる文字があると新鮮でいいなと思います)

 

 皮肉とジョークを表現形式にするのは英国人らしい(正確にはスコットランド生まれ)。かっこよくぴりっと刺激的でウィットに富んだ皮肉はかの国では評価されますね。

 

 

 ―”People You Love"に出てくるghostについて―

 

 

 英国映画『フォー・ウェディング(Four Weddings and a Funeral)』にも、”ghost”という暗喩が出てきたことを思い出しました。そこでの意味は、別れた元カノたちの比喩でした。

 ここではもっと広い意味合いで使っていて、番組を観る限り、芸大時代に、交通事故で亡くなった友人への思いが発端だったようです。当時、死んでしまってもどうしても死んだとは思えなかった(夢で見たり、魂がまだいるような気がした)…そんな友人を心の中の”ゴースト”として肯定的に扱ったことでできたポエムのようです。(いまだ”ゴーストとして”存在していると)

 また、ある人は、昔、戦争で亡くなった人を、別の人は、別れた恋人を、または最近、なくなった親戚と新たに生まれた赤ちゃんのことを…(作品の解釈は作者の事情から離されていくところがありますね)

 

今回、観たBBCプログラム(2:40~3:16)→BBC現代アート(ロバート・モンゴメリー)

 

 

 余談ですが、韓国人のラッパーが無許可で作品をパクッているともえー 本人は、笑っていますが。

 

 

 (動画によると)

 彼の(このパブリック・)ポエムを、自分の腕やお腹にタトゥーしてしまった人たちまででてきたようです。

 ある意味、詩人にとって、最高の賛辞・栄誉と言えるのかもしれません…

 (モンゴメリーは、見ず知らずの他人に感動を与え、何かの一助になればアートの本懐とも…まぁ、出来過ぎた答えですね(笑))

 

 心に刻む、とはよく聞きますが、自分の体に刻む…、となると、本当に心に残ったように思えてきます…(もちろん、タトゥーについての見方は文化によって違いがあります)

 

 ただ詩集を買わせるのではなく、タトゥーさせてしまう詩人…こんな詩人がいるんだなと。

 

感心したところで 今回はおわり照れです。