『新実存主義』(マルクス・ガブリエル)を購入。

 

”心”という語で表せるたったひとつのものなど存在しない――

 

ということで

 

心的状態は脳状態に還元される

 

に疑問を呈する

 

 

 

読了。

 

・人間は本質なき存在であるということ

・人間とは、自己理解に照らして自らのあり方を変えることで、自己を決するものであるという思想

 

人間は本質なき存在…むしろ無為から「人間観」をつくりあげる(自然種には含まれない)存在。

心的語彙による説明構造が人間観を形成。

 

主に精神(ガイスト)の領域でなされる。

    ↓

人間の概念に依存する現象、である人間の心を「精神」とする(デネット)。

(ここらへんまでは既存の実存主義とも呼べそうな考え方)

認識論(や経験論)だけ(の問題)になってしまう。

 

 

〇現在の主流は、自然科学によって心という現象を理解しようとしている←批判的態度

 

 

完全な唯物論などはなく、形而上学的に補完された唯物論があるに過ぎない。

 

自然の秩序に還元されるものもあるが自然種から疎外されたものもある(著者の主張)。

 

 

☆人間の”自らを概念的にとらえる力”は、極めて特異なもの。

 

 ・これは自然の秩序にはすくい上げられない。

 ・いくつかの必要条件が組み合わさって十分条件に整う。

 

☆心と脳の関係を、自転車とサイクリングの関係でうまく説明している(条件主義)。

 

 

 

自分でものを考える素になる本は大好きで、今回の『新実存主義』もそういう種類の本でした。学びが学びを呼ぶ本と言っていいのでは。

 

哲学本好きな人にはオススメです。

あと歴史上のスター哲学者たちの名前が出てきて、レジェンドたちの存在感(オーラ)を復活させているところも注目ですね。

 

 

(おわり)