――本との出会いとつきあい――
・自転車のペダルを漕いでいって、やめたら、シャーって惰性で走っていく。
本を読んでいてふと中断したとき頭の中がこうなっているような。
そのまま、本の内容を読み続けなくても、徐々に力の落ちていく惰性から自力で漕いでいき、思考を展開させていくことだってあるのではないだろうか。
・読む前と読んだ後では自分の考えが変わったと感じる本がある。
・20年前にこの本を読んでいたら多少人生への関わり方が変わっていたかもと思わせる本を思う。
・読了した後の「作品」と対峙する時間帯。これほど意味深い時間帯は他にそうないんじゃないか。
ちなみに読後の反芻は、一人でいる時間じゃないとできない。
・小説は、登場する人物たちが何に悩んだかが表現され、また読むもの。思想・哲学系を読むなら、思想書や哲学書を読めばいいし、そこに書かれているのは、思想観念、哲学観念そのもの。しかし、人がどのように悩み苦しみ、どのような行動をしたか(ら、ある結果になった)は書かれていない(人のリアクションがない)。
話の筋書きも、構造や仕掛けが凝っている方が読みやすいけれど、因果律を通して人間の感情を読みたいため最終的な関心はそうなる。