人の目と文章について
人の目は、二つ(体が直立時には)水平についている。
この自然な位置関係は、文章を読む際の目の運動と脳への刺激になんらかの影響を与えているのでは。
横書き
目の並びと同じ水平線上にあり、両眼玉が(横並びの文字列に)焦点をあわせて運動していくので、ストレスの度合いが少なく疲れにくい。(ふたつの目玉は目の並びに沿って、横から横へスムーズに流れていく)
横読みは、改行時も目の(配置に沿った)横運動のみで行間の段差はほぼ苦にならない。ネットのテクストやビジネス書は、横書き仕様が向いている。ぱっと見、視覚的に捉え易く、長文も読み易い。
これらの文章が縦書き仕様なら疲れてしまう。ネットスクリーンで上下にスクロール運動する読み易さを思い出せば、ストレスの弱さを実感できる。
縦書き
目の並びと垂直になるため、両眼玉が焦点をあわせて運動していく難易度が少し上がりストレスが生じる。このわずかな脳へのストレスが文芸を読むときのほどよい緊張感を生む。小説や俳句は縦書きで読みたいという人が多いのはこのためだろう。
(なんというか、字ずら的に背筋が伸びて凛とした印象)
追加
インターネット端末画面で打たれる文章は、横書き仕様が標準。上から下へ流れていく。縦にスクロールする機能は、目も脳も疲れない。目の配置と文の水平性の一致から長い文章もそれほどは苦にならない。そうなると、改行が増えるケースが散見され、とびとびの行間をとったりする。
日本人は、発語になるべく労力を使いたがらない。なので、長い単語、言いにくい単語を省略する。発音的にシンプルなものをよしとし、長ったらしいカタカナ語などはすぐに略語化される。外国人のようにやたら顔や舌の筋肉を動かすのを嫌う?(恥ずかしいからなのかその理由はわからない)聞く方も相手が長い単語を言い終えるのを待っていられない。(おそらく覚えられないし覚える気もない)
ある意味、日本人の会話の感覚はせっかちな質のものかもしれない。一般的に、ひとつかみでうまく表現するキャッチーなものを望む。そういうところからもネット上では改行が多くなるのかもしれない。
(おわり)