傘
問いかけが雨となったとき
傘を いっぽんさした
跳ねかえった
雨の
小粒は――
問いかけをぼくの足元の
外側へ 弾いていった
外にある問いかけの降りしきり
ひとつ ひとつの
かさなりは 足元から
今や
鑑賞物であるかのように
それ自体の 身振りをしている
問いかけから 答えまでが
心の範疇であるならば
あいまいに
台詞なく 役者を演じる
雨粒たち―
求めるもやの向こうの跳ねかえり
答えはそこにありそうだ
問いかけはよく降ってくる
それは
えんえん続く雨のよう
外界にカチリと鍵をかけ
時にはしっぽり濡れたひとりの
人間をつくって
そうして 時には
土砂降りにさえなって
ひとりの人の生を流してゆく
だから今は 傘をさす
雨粒から 傘の中まで
心は合間にも開かれて
そこから見える
世間はずぶ濡れになって
私という入れ物の
心は ただ
からりと涸れていた