名古屋で住んでいた社宅アパートには、

数百人もの子どもが住んでいた。

 

 

 

そのため、

近所のお菓子屋さんで売られていたビックリマンチョコは、

いつもすぐに売り切れていた。



でも、

お菓子屋さんの前や公園には、

そのビックリマンチョコがよく捨てられていた。

 

 

 

中身のチョコには手を付けず、

シールだけ抜かれて捨てられているのだ。

 

 

 

その光景を目にするたびに、

ボクの胸は締め付けられた。



そもそもビックリマンチョコは

シールも魅力的だったが、

チョコ自体も美味しかった。

 

 

 

だから、

ただ捨てられているのを見ると、

どうしても心がザワザワしてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

幼い頃のボクは

母にこう言われ続けていた。



「食べ物を粗末にしたらダメだよ」



子どもの頃に貧しい経験をした母に

厳しく教えられたその言葉が、

いつも心の奥に響いていた。

 

 

 

だから、

捨てられているチョコを見るたびに、

もったいないという気持ちが湧き上がった。



実際に、

ボクは人生で食べ物を残した記憶がほとんどない。

 

 

 

給食も、

トマトやナスが苦手だったけれど、

最後まで食べていた。

 

苦手なトマトは、

果物でも野菜でもないグチャグチャした食感が嫌いだったし、

ナスはファミコンの高橋名人の影響で嫌いになっていた。

 

 

 

それでも、残すことはしなかった。



一方で、

お菓子を捨てる友達とはあまり仲良くなれなかった。

 

 

 

ボクにとっては食べ物を捨てる行為が、

どうしても理解できなかったからだ。



そんなボクは今でもモノを捨てるのが苦手だ。

 

 

 

もったいない、

いつか使うかもしれない。

 

そう考えてしまい、

なかなか手放せない。

 

 

 

そのため、

掃除は好きだけど、

整理整頓はあまり上手くない

 

 

 

そのため、

大人になった今では妻にフォローしてもらっている。



こうして振り返ってみると、

この性格は、

幼い頃に母から叩き込まれた

 

「もったいない」

 

という教えが根底にあるのだと、

改めて気付くのだ。