ボクはこれまで、何度もお金で失敗してきた。
赤字になっても気づかず、資金繰りが回らなくなってから初めて慌てる。
そんなことが、何度もあった。
恥ずかしくて、誰にも言えなかったです。
だってビジネスやっているのに、「数字が見れない」なんて…。
そんな自分が、ものすごく情けなくて、怖くて、苦しくて。
でも、ボクみたいな人、他にもたくさんいると思うんです。
そして、その誰かを一人でも救いたいと思って、今こうして書いています。
「お金のことは苦手で…」
「数字に弱くて…」
ボクはずっと、そう言って逃げていた。
けれど今なら、なぜ“数字を見るのが怖いのか”、その理由がはっきりわかる。
それは、“見たら落ち込む”って思ってるから。
もっと言えば、数字を見ることで、「自分の努力が否定される」と脳が判断してしまうからだ。
これは、認知科学でいう“自己評価の防衛本能”が働いている状態。
脳は、自己否定を避けるために、「不都合な現実」をシャットアウトしようとする。
数字を見ること = “自分を責める材料”と無意識に紐づいてしまうんです。
だから、経営者としては「現実を見なきゃ」と頭ではわかっていても、
感情がブレーキをかけてくる。無意識の防衛反応で、数字を遠ざけてしまう。
ボクはずっと、それに気づかず、“感情と数字の分離”ができていなかった。
営業職で、売上は上がっていたけど、粗利が出ていなかった。
経費も感覚で使っていた。
いわゆる“どんぶり勘定”のまま、月末に通帳を見てはため息をつく日々。
そしてある日、資金繰りの大きなミスで、取引先への支払いが遅れた。
「もう信用されなくなる…」と、震える指で謝罪の電話をかけた。
あのとき、ようやくボクは気づいたんだ。
「肩書きじゃ、信頼は守れない」って。
「数字を知らないことは、経営者としての責任放棄だ」って。
その後、ボクはひとつひとつ学び直した。
認知科学の知識を使って、「数字が怖い自分」の脳内メカニズムを丁寧に解体していった。
結論から言うと、数字に強い人と弱い人の違いは、“認知スタイル”の差なんです。
✅ 数字を見れる人の共通点
・「数字=評価」ではなく、「数字=ヒント」と捉えている
・現実を“敵”ではなく、“情報”として見る視点がある
・失敗を「データ」として扱い、自分を責めない
✅ 数字が怖い人の特徴
・「結果=自分の価値」と結びつけてしまう
・悪い数字は“人格否定”のように感じる
・“今ここ”の数字だけを見て、長期的な成長を見失いやすい
これは単なる性格ではなく、情報処理のクセにすぎない。
だからこそ、意識的に「数字=改善の材料」という認知スタイルに切り替えていく必要がある。
ボクを変えた「お金と向き合う」最初の一歩とは
では、どうやってボクがその一歩を踏み出したのか?
正直、最初は「収支を1週間分、ただ書き出す」だけだった。
分析も計算も一切なし。ただ「見える化」することに集中した。
すると、不思議なことが起きた。
「あれ?そんなに酷くないかも」
「この出費、減らせそうだな」
「ここはちゃんと利益が出てる」
まるで、霧が晴れるように、感情と現実が少しずつ分離していった。
脳が「数字=脅威」ではなく、「数字=判断材料」と認識しはじめたんです。
数字を見るのは、自己否定じゃない。
自分をもっと信じられるようになるための、小さな儀式なんです。
今なら、そう言い切れる。
お金と向き合うというのは、
帳簿をつけるとか、経費削減するとか、そういう“作業”の話じゃない。
「ちゃんと私が、私の人生を引き受ける」
その覚悟を持てるかどうか。
それだけのことだった。
【STEP1】「数字=判断材料」と口に出して言う
繰り返し脳にインストールして、認知の枠組みを変えていく。
【STEP2】週1回、感情抜きで“数字だけ”見る時間をつくる
分析しなくていい。まずは「事実」を見ることに慣れること。
【STEP3】数字を“点”ではなく“線”で見るクセをつける
たった1日の売上ではなく、1ヶ月、3ヶ月、半年という時間軸で“変化”を捉える。
この3つを繰り返すだけで、脳が数字に対して「安全」だと認識してくれるようになる。
「こんなに失敗したのに、よく続けてこれたね」って言われることがある。
でもボクは、ただ「もうこれ以上、自分をごまかしたくなかった」だけ。
だから、どうか安心してください。
あなたが今、数字から目を背けていてもいい。
でも、いつかきっと、自分で「見たい」と思える日が来る。
そのときは、どうか自分を責めないで。
そして、数字を味方につけて、あなたのビジネスを育てていってほしい。
ボクは、そのお手伝いがしたくて、ここにいる。
お金と向き合うことは、人生と向き合うこと。
だからこそ、誰にも言えなかった恥ずかしい過去が、いちばんの財産になるんです。