「好きなことを仕事にしよう!」
「情熱があればきっとうまくいく!」
そんな言葉に、胸をときめかせた。
「好き」を仕事にできるなんて、最高じゃないかって。
でも、現実は甘くなかった。
夢を追って始めた仕事は、いつしか「生きるために耐えるもの」になっていた。
私は、“好き”を仕事にして、地獄を見た。
そしてその地獄から私を救ってくれたのは、意外にも「収支管理」だった。
私は昔から、人に何かを教えるのが大好きだった。
だから、「自分のスキルや経験を活かして、講座を作ろう!」と意気込んで独立した。
SNSで発信し、個別相談を受け、講座を開き…
最初の数ヶ月は「好きを仕事にできた!」という興奮で、毎日が充実していた。
でも、そのうちおかしくなってきた。
✅ 「なんでこんなに働いてるのに、お金が残らないんだろう?」
✅ 「この講座、いくらで出せばいいのかわからない…」
✅ 「制作に〇〇時間かけたけど…利益って、どれくらいあるの?」
そんな疑問が、頭の中をぐるぐるし始めた。
忘れもしない、ある日のこと。
友人の経営者仲間にこんな風に聞かれた。
「ねえ、それ利益いくら出てるの?」
私は答えられなかった。
まったく、答えられなかった。
というか、把握してなかった。
「多分…ちょっとは出てる、と思う…けど…」
と曖昧にごまかした私に、友人が静かに言った。
「それ、趣味でやってるのと変わらないよ」
その瞬間、血の気が引いた。
“好き”だから、がんばれる。
“好き”だから、お金のことはあとからついてくる。
そんな都合のいい幻想を、私は信じ切っていた。
でも現実は──
📌 月の売上はあるのに、利益はほとんどなし
📌 サービスを作れば作るほど、自分の時間がなくなる
📌 お金の計算が苦手で、収支の見直しを後回しにしていた
“好き”を仕事にするなら、「数字」から逃げてはいけない。
このままじゃいけない。
そう思って、まず私がやったのは、**「お金の流れを“見える化”すること」**だった。
やったことは、すごくシンプル。
ステップ1:「入」と「出」を全部書き出す
→ 売上、サービス別の単価、講座数、材料費、広告費、サブスク…すべて可視化。
ステップ2:「時間」と「利益」のバランスを見る
→ 1つのサービスにかけている時間、実際の利益、時給換算して赤字になってないか。
ステップ3:「やらないこと」を決める
→ 赤字・時給500円以下のサービスは即廃止。
「これ、数字を把握するだけで、こんなにラクになるの…?」って思った。
感情に振り回されずに、「続けられる仕事」を選べるようになったのだ。
好きなことだからこそ、もっと大切にしなきゃいけない。
「好きならいくらでもがんばれる」は、幻想。
「好きだからこそ、ちゃんと利益が出る仕組みを作る」ことが、本当に“好き”を仕事にするってことだった。
私はもう、赤っ恥をかくような自分には戻りたくない。
「好きなことを仕事にしてます」って胸を張って言いたいから、ちゃんと数字を見て、事業を組み立てる。
“好き”を仕事にしたいあなたへ。
もし今、
✅ 売上はあるのに、お金が残らない
✅ 仕事がどんどん苦しくなってきた
✅ 何のためにやっているのか分からなくなってきた
そんな風に感じているなら、まずは数字を見える化してみて。
お金の流れは、あなたの仕事の「健康診断」。
きちんと把握すれば、“好き”は潰れない。
そして、もっと長く、心から楽しく仕事を続けられるようになる。
私のように、赤っ恥をかいてから気づく前に。
ぜひ、あなたはもっと早く気づいてほしいと思っています。
「好き」を守るために、数字と向き合おう。
それが、ほんとうの「好きな仕事」の第一歩です。