えっ、こんなにかかるの…?
「ママ、サッカーの月謝、明日までに払ってってコーチが言ってたよ!」
小学校から帰ってきた息子が、
ランドセルを放り出しながらそう言った。
「ああ、そうなのね…」
表面上は平静を装っていたけど、
内心は冷や汗ダラダラだった。
リビングのテーブルに座って、
家計簿を開く。
✅ 水道光熱費
✅ 住宅ローン
✅ スマホ代
✅ 食費
✅ 習い事費用(サッカー、ピアノ、スイミング)
「……足りない」
どこをどうやって計算しても、
今月の収支が完全に赤字だった。
「どうしよう…」
息子の目が期待に満ちてこちらを見ている。
「サッカー、楽しいんだよ!コーチにも褒められたんだ!」
「…そっか、すごいね!」
笑顔でそう答えるけど、
心の中では胃がキリキリと痛んでいた。
「どうしよう…お金が足りない…」
こんなことになるなんて思ってなかった
子どもが生まれたとき――
「習い事は、好きなことを思い切りやらせてあげたい」
そう思っていた。
だから、
✅ サッカー
✅ ピアノ
✅ スイミング
「何でも好きなことをやっていいよ!」
そう言ってきた。
毎月の出費はかさんでいたけれど、
「教育費は大事だから」と自分に言い聞かせていた。
だけど――
今月は、他の出費も重なった。
・車の修理代:35,000円
・急な病院代:12,000円
・友人の結婚式:20,000円
「これは必要な出費だから…」
そう思っていたら、
習い事の月謝を払うお金が残っていなかった。
「どうしよう…」
親としての責任を痛感した瞬間
その日の夜、
スマホを片手にネットバンキングを確認した。
――残高:5,800円
「これ…今月の生活費どうするの?」
とてもじゃないけど、
サッカーの月謝は払えない。
「どうしよう…」
「ねぇママ、明日持っていくから忘れないでね!」
息子の無邪気な声が突き刺さる。
「ママ、サッカー本当に楽しいんだよ!」
「もっと上手くなりたいから、頑張る!」
……どうしよう。
「払えない」なんて、絶対に言えない。
「お金がないからやめなさい」
なんて言ったら、
この子はどんな顔をするだろう?
でも、払えない。
現実として、払えない。
「親として失格…」
その瞬間、
胸の奥がギュッと痛くなった。
相談できない…だって恥ずかしい
「誰かに相談すればいいのかな…」
でも――
「そんなこと言ったら、『お金の管理ができていない』って思われるかも…」
夫に相談しようかとも思った。
でも、
「こんなこと言ったら怒られるかもしれない…」
「何で貯金してないんだって責められるかもしれない…」
ママ友には絶対に相談できない。
「みんな、ちゃんとやりくりしてるのに…」
「私だけがダメな母親みたいじゃない…?」
それに、
「習い事を辞めさせたら、『お金がないからやめた』ってバレるかも…」
頭の中で考えがぐるぐる回る。
「…でも、どうしたらいいの?」
自分で何とかしなきゃ
夜中に家計簿を広げて、
ひとりでため息をついた。
「どこかを削らないと…」
でも、
・水道光熱費 → 削れない
・住宅ローン → 当然削れない
・スマホ代 → これ以上プランは下げられない
「やっぱり、習い事しかないのか…」
でも、
「ママ、楽しいから続けたい!」
という息子の顔が頭をよぎる。
「やらせてあげたい」
「でも、お金がない」
親として――
「できること」と「できないこと」 の現実を
突きつけられた瞬間だった。
ようやく気づいた“問題の根本”
翌日、
覚悟を決めて夫に相談した。
「サッカーの月謝、払えないかもしれない…」
夫は、驚いた顔をしながらも、
「え、どうして?
収入自体はそんなに減ってないよね?」
「それが…つい無駄遣いしてて…」
改めて出費を振り返ってみた。
✅ 週2回のコンビニコーヒー:1,000円
✅ つい買ってしまった雑誌:800円
✅ 便利だからと契約したサブスク:月額2,000円
✅ ついセールに釣られて買った洋服:5,000円
……合計で 8,800円
「これ…全部削れたよね…?」
習い事を続けさせるためにできること
夫と一緒に、
お金の使い方を見直した。
✔️ コンビニ → 週1回まで
✔️ 洋服 → 「本当に必要?」と自問してから買う
✔️ サブスク → いらないものは解約
✔️ ついで買い → リストを作って買い物する
こうして、
月に1万円以上を節約できるようになった。
その結果――
息子のサッカーの月謝をなんとか払えるようになった。
「サッカー、続けられるよ!」
と伝えたとき、
息子がキラキラした笑顔で言った。
「やったぁ!ありがとう、ママ!」
涙が出そうになった。
お金の管理が苦手でも、できることはある
今回、私は「親としての責任」を痛感した。
「払えない」という現実に直面して、
無駄な出費を見直すことで、
少しずつ家計を立て直すことができた。
親だから完璧である必要はない。
でも、
「できること」を積み重ねていくことで、
子どもの「やりたい」を守ることができる。
「お金の管理」=「親としての責任」
それを知ったとき、
私の気持ちは少しだけ軽くなった。