士業やコンサルと言う立場の人は企業に指導しなければならないというバイアスがかかっているので、クライアントである企業の上層部や経営者に意見を言うことが仕事であると錯覚していることがあります。

 実は相手の立場から言うと、意見を聞きたいのではなくて、自社が抱える経営課題や悩みを聞いてくれて、その実情を理解してくれることをまずは求めているのです。

 つまり、経営指導を行うと言っても、企業は経営課題を見つけて欲しかったり、その経営課題の解決策を教えて欲しいということよりも、こちらが認識している経営課題に共感してくれる味方がいることが指導よりも何より企業にとっては必要なことなのです。

 企業の経営者は一人で難題を抱えて一人で立ち向かうことに不安を覚えており、その難題を自分のことのように心配してくれて、一緒に立ち向かおうという気概のある家族のような絶対的味方に付いてくれる人が天使のような存在となるので、そういう支援者を強く求めているのです。

 とすると、経営指導することを業とする士業やコンサルに求められていることは、経営課題を克服するためのノウハウや答えを上から目線で教えることではなくて、経営者自身の頭の中で思い描いている経営の課題を自分と同じ思考回路で辿り着いて、これからの経営の舵取りをどうしていくかを一緒に考えてくれる絶対的味方であるパートナーシップなのです。

 その絶対的味方であるパートナーシップを発揮できれば、幾多の企業の経営者に信頼される支援者になれると思います。