一見にしかず。
とはよく言ったもので。
わかってたつもりでも
実際目の前にすると怖い。

知ってるのとやってみるのじゃ
天と地の差があるみたいに。


思っていたものと
そこにあるものの、
ギャップに衝撃を受けて怖くなる。

久しぶりに家に帰った。


父親の顔は、
あたしの知ってた祖父を思わせた。
いつこんなに老けたんだろうと。
時間がそこだけ早く進んじゃってんじゃないかって思った。
感染脳症はあたしはひどい部分を見てないにしても
残酷極まりないのは目に見える。


人格はここまで変わるのか…

癌はもう末期だ。
腹水は6㍑以上で、
もう妊婦とかそんなじゃない
膨らんでいるお腹。

手と足はガリガリなのに。


臓器はもう働いてない。
肝硬変じゃなく、肝不全だ。

どうやって生きてるんだろうと不思議に思う。
危なくなってそれでも持ち直す生命力はなんだろう。
医者もびっくり。

母はあと余命3日と宣告された時
どう思ったんだろう…
母によるとあたしのメールをいつも心待ちにしてるそう。

『今日は来ないなぁ』
そんなこと呟いてるなんて、知らなかった。

メールで少しでも嬉しいと感じてくれるなら

何回でも送ります。


それが無器用すぎるあたしの精一杯だから。

ただ、メールに関して言えば

2ヶ月前より格段にマスターしてきたってこと。
元気な時はまともにメールうてなかったくせに
今の方が上手い。
かつ早い。

不思議だよ、人間て。
ねぇ、これが運命なら
あんまりだよ、神様…