社会人になりますと、社会人なりたての頃は仕事で覚えた知識をついついお客様や周囲の人に吹聴してしまいがちですが、専門用語の羅列は禁物です。

 誰にでもわかる言葉で説明するのがプロですので、プロにしかわからない言葉で説明したとしてもそれは自己満足にしかならず、社会人としての信用や評価は上がらないということです。

 自分にコンプレックスがあり、馬鹿にされるのを恐れるあまり、難しい言葉で説明することで賢く見られたいという意図があるとすると、それはかえって逆効果でマイナスの印象にしかならないのです。

 例えば、老けて見られたくないから、若者言葉を多用してくるというのと似ているところがありますが、話し相手が若者の場合ですと多少の若者言葉も織り交ぜていかないと、ジェネレーションギャップを感じられてしまうので、若者言葉をスパイスとして使うのは意味があります。

 しかし、専門用語はプロ同士の間では母国語になりうるものの、専門外の人にとっては外国語でしかないわけですから、スパイスにはなりません。

 すなわち、はったりや見栄で社会人としての評価は上がるものではなく、高めた専門性を必要とする相手に配慮した行為の積み重ねなのです。