専門家だからと言って、専門的な知識ばかりをひけらかしていると人は離れていきます。専門家に専門的な知識を聞きたいのだけれども、聞いても難解な用語ばかりが飛び出すと近寄り難いイメージがついてしまうので、気さくになんでも聞く気がしなくなるわけです。

 これは、起業当初の個人事業主に陥りがちなことなんですけれども、自分の専門分野の知識をテキストで勉強したとおりに頭の中で思い浮かべて、思い浮かんだものをそのまま吐き出すというのがやっとこさなほどまだ余裕がないわけです。

 これは、自分が専門家であるというプレッシャーもあるので、最初はプロっぽく言わなければならないと勝手に思い込んでいるわけです。

 実は、これが聞いているお客様にしてみたらわかりにくく、説明を一通り終えた時には自己満足という結果しか待っていません。

 まるで、試験の面接官に答えるかのごとく、起業当初はお客様に対してもプロに答えているような説明の仕方になってしまうことが多々あるわけです。

 ですが、起業してから数年が経ってきますと、最初の頃の失敗もだんだん学習していくようになるので、誰にでもわかる言葉で説明ができるようにはなっていきます。

 ここで大事なのは、起業したから軌道修正ができるということです。起業すると、お客様についてきてもらわなければ商売が成り立たないわけですから、最初はお客様への説明がわかりにくかったとしても、何がダメなのかを真剣に考えさせられることを避けて通れなくなってくるのが必然なので、その経過を辿って軌道修正できなければ、事業継続が不可能なのが起業という世界です。

 すなわち、起業という世界での生き残りは、いかに答え探しを継続できるかにかかっているという終わりのないクイズ番組のようなものなのです。