大勢の人の前に立って話をする機会があるとわかるのが、まず自分の自己紹介から始まって、その時話すテーマの導入部分でテーマの趣旨や、そのテーマを話すに至るいきさつや背景などを話したうえで、本題に入るのが正攻法だと思いますが、最初の30秒ほどで観衆の話し手に対する第一印象が決まってしまうので、できればユーモアを交えて最初の30秒話せると、観衆が退屈せずに本題にすっと入っていけるものです。
いわゆるお笑いの世界で言うとつかみという部分です。このつかみの部分で事前に丸暗記してきたものを一言一句間違えなく話せたとしても、聞き手は「この人しゃべり上手い。」とは思うのですが、ちょっと隙がないので退屈に感じる場合があります。
ですから、スピーチや講演や営業トークのつかみの部分では話す内容は8割ぐらいの大まかな記憶に留めておいて、後の2割を忘れたとしてもアドリブで適当につなげる応用力がトークの達人と呼べるのではないでしょうか。
なぜならば、記憶したものをそのまま話すというのは、その文章を考える力はあるのですが、それは事前に用意できるものなので、普段の会話のような生きた会話と言われるようなナチュラルな展開のほうが新鮮味を感じるからです。
つまりは、丸暗記のトークですと、自然なトークのようによどみや抑揚がなく、機械がしゃべってるみたいに無機質に感じるので、親近感も持ちにくいでしょう。
ですから、商談等のトークの場合もあまり話す内容を詰め込み過ぎると、自分が話すことに夢中になってしまい、相手の要望を聞く事を忘れがちにもなり、独善的なトークになって相手の購買意欲を削いでしまうことにもなります。
食事においても腹八分が健康的と言えるなら、トークも腹八分程度の暗記力でアドリブや応用力を効かしてその場で適当につなげる能力を発揮すれば、対人関係も良好に築けるのではないでしょうか。
