バスを待っていると、若い女性が僕の後ろに並んだ。顔を凝視するわけにはいかなかったが、整った顔立ちをしているようにこの時は思った。長いこと待たされたバスは空いていて、しかし僕は荷物が大きかったのでそれを足で抱えたく、進行方向の横を向くシルバーシートに腰掛けた。次に乗った彼女は僕の正面に座った。常に彼女の横顔を見ることになる。女性というより少女に近いことが分かった。ショートカットの似合う中性的な顔立ちで、見れば見るほど若く感じる。中学生かも知らん。

しかしこのポジショニングはどうだ。僕にアドバンテージがありすぎる。普通にしていて視線の先に器量良しの少女がいるのだから、それは見る。彼女は見られている感があるのか、落ち着かない様子が受け取られても頻繁に顔を横に向けることは不自然。申し訳なくなり、寝たふりをした。