2度目の「すみません」は声を張って、それでレジに店員が現れた。中年の女性で、申し訳ないというよりも苛立ちの表情を浮かべながら、どうやらそれは店長に対するものらしい。「ごめんない、すってん店長がどこかに行ってしまって」など言いながら、後から来た女性店員も彼女と同じ年ぐらいで、二人して「全くもう」的な態度をとる。店を出る際、先の女性たちと同じ制服を着た還暦前後と思しき男が目に入った。壁にもたれかかり、塀に肘をかけてタバコをふかしている。「ありがとうございました」と軽く頭を下げながら言われた。結局、店の雰囲気は良いようだ。