スポッとホップ裏にある小さな公園、といってもベンチがあるだけで遊具はない変形の敷地を、ブンレツさんは自らの裏庭と称して何やら植えたり育てたりしている。一応、僕らが住んでいるマンションが所有している場所で、管理会社からも許可を取っているので問題はない。そこからラベンダーのつぼみを間引いて持ってきた。良い香りがするというのでそれを手に乗せ、顔を近づけて嗅いだ。勢いをつけ過ぎたのか、ホップのようなそれは僕の鼻に吸い込まれ、見事なまでに鼻の穴にフィットし、ほじくるまで落ちない。ブンレツさんの失笑を買った。