渋谷の路上で足を止めて一服中、若い男女4人が談笑しながら通り過ぎた。親しげに、楽しげに、彼らは大笑いしている。クラブかライブハウスに行くのだろう。スタッフパスのシールが服に貼られてある。しかしその中の一人の男の後頭部には、ワックスの塊が白くなって髪に付着していた。仲間たちはそれに気づかないのか、もしくは気づいているが言えないのか。おそらくこれから舞台に立つというのだから、もし前者だとしたら彼は付き合いを考えたほうがベターだ。友人に興味を持たれていないのだから。後者なら自らが殻を破るべく努力をすすめる。