映画館に行ったが、なぜそれを見ようと思ったのかは明確でない。邦画だった。僕が出演していた。スクリーンに映し出される自分に違和感がある。僕はそれを知らずに見に行ったのだ。エキストラではなく、いくつかのシーンで登場し、セリフもあった。これが酷い。とんだ大根役者だった。棒読みのセリフにぎこちない動き。周囲の観客に僕の存在が気づかれやしないか内心ビクビクしていた。映画の出来としては悪くなく、佳作という印象を持ったが、起きたらその内容はすっかり忘れた。