丸三角四角 チラシに幾何学的な模様の落書きがあるのを見て、ブンレツさんが長電話していたことが分かった。その癖を知ったのはいつだったか、僕があまりにも小さい頃のことで覚えていない。なぞり書きなど、昔から全く変わってないように思う。 人当たりの良い彼女は聞き上手で、大抵の場合において電話が長くなる。興味のない内容の時は決まって右手は意味のない落書きをして、左手に受話器を持ち、的確な相槌を打っている。絵心はないのでイラストは描かない。一体どれだけの四角や三角を書いたのだろう。地球を優に回りそうだ。