旦那が定年を迎えたブンレツさんの友人女性が携帯電話を持ち始めているという。しかも複数人。家で何をするでもなく還暦男性は、かかってくる電話をまずとるらしい。そこから詮索が入るのだろう。今まで気ままにかけて、かかってきて、それができなくなることの忌々しさは想像に難くない。体同様に頭もカチッカチに固くなり、趣味もなくただ引きこもるのは男性が顕著であることも容易に想像がつく。老いることは醜くなることであると念頭に置き、僕は年を重ねていきたい。柔軟さと多趣味も然り。いつまでも仲睦まじく寄り添おうというロマンチシズムは隠し通して。捨てられない男になること。見切らない女をみつけること。適度な距離を保つのは難しいと思ったが、そもそも適度とは何ごとにおいても易しくはない。