駅周辺に路上駐車をしようとして辺りを見回していると、ブレイズがきまっている女性と目が合った。学生の頃、同級生に7回告白したことがあって、ことごとくふられたわけだが、その女性に似ている。すれ違いざま、勢いよく振り返ったためにハンドルもそちらを向いて転びそうになった。彼女のほうは振り向かず、そんな体裁の悪いところを見せずに済んだ。卒業以来会っておらず、今となっては思い出すことも少なくなり、過去は美化されてただきれいな女性を彼女と勘違いしたのだろう。記憶の中の彼女は当時からさほど年をとっていない。

もしブレイズの彼女が彼女だったとしたら、そう思うと悲しくなった。付き合うに至らなかったにせよそれなりに印象づけたはずの自負が、振り返らなかったことで覆されることになる。他人に影響を及ぼすというとおこがましいが、誰かの中に自分を留めておきたい願望はある。金も名誉もないだけになおさら強いのかも知らん。他者がいることで主体性を維持し、僕はここにいる、もしくはここにいたという証明を、マーキングする犬のように僕は示し続けるのだろう。たとえブログが滞っているとしても止めるわけにはいかない。自分のために。

そう自分のために。結局は己のことしか考えていないのであれば影響力などたかが知れている。そういえば7敗を喫した彼女は自立した女性だった。mixiで検索するのはかなりダサい部類に入る。