あまりに寂 れたデパートだった。エスカレーターで上を目指したが、どのフロアも棚に陳列された商品もまばらだ。天井は低く、狭く、暗い。罪悪感すら感じ、いてもたってもいられない。最上階は書店だった。おもむろに新刊を手に取り、それを読んだ。フォントがあり得ないほど大きく、1ページに数行だけ、しかし詩ではない。パラパラと進めて、ストーリーがこんがらがるとページを戻すのだが、先に読んだものと違うことが書いてある。ますます訳が分からない。読む度に変わる本ならば飽きることがない。財布がないので何も買わずに外へ出ると、街並が変わっていた。