元から球速は出ず、四死球も多いのに、準決勝までの清峰・有迫の被打率といったら凄まじく、しかし最後で力尽きた。その清峰を率いた吉田監督は準決勝まで采配がズバズバ決まり、昨年の夏でも強豪を連破し、喋らせてはソツのない模範解答。選手・応援も含めて全てがすがすがしかった。

その清峰に準決勝で敗れたPL学園のエースで4番・前田も印象深い。ゴムゴムのピッチングは見ていて飽きない。しなやかな腕の振りは投球後、体に巻きつく。勢い余って2度、巻きつくこともある。プロに行く素材だろう。

駒大苫小牧の出場辞退から始まったが、好ゲーム・好チームが多く、終わってみれば良い大会だったのではないだろうか。早稲田実と関西の試合は後世に語り継がれるだろう。時に残酷。相手に「知らない」と言われながら、優勝候補でもあるそこを破った岐阜城北の健闘も光った。尾藤姉弟の未来は明るいかと思われる。