エリ・エリ・レマ・サバクタニ 自殺願望が湧くウィルスが蔓延した近未来、二人のミュージシャンが奏でる音だけが、発病抑制に繋がる。映像も発想もいかにも青山真治らしい、たむらまさきと仙頭武則とのトリオ5作目。あうんの呼吸だと思われる。

様々な音に音楽を見出す二人。彼らのノイズ、世界を救うといわれるその音楽は耳障りだった。どこかの芸人が、UFOを呼び寄せるネタに使用するものと同じ代物も、まるで崇高なミュージックとして捉える。

青山真治の作品はどうも相性が良くないらしく、今まで観賞したもので響いたのは「EUREKA ユリイカ」だけだった。それでも、予告で見た映像に惹かれて本作の観賞に至る。七里圭監督作「のんきな姉さん」からひらがなに改名したたむらまさきが、英語表記では“TAMRA”となっていることに今日気づいた。1960年代から活躍するカメラマンによる、スクリーンが立体的に見える映像が美しい。中でもハイライトとなるシーンは出色だった。緑の草原に青い空、そこを1台のバンが一本道に導かれる。起伏によって一旦消え、再び画面に登場して車は止まる。奥行きが幻想的ですらある極彩色の風景に、演奏装置と四方にスピーカー、パフォーマーとオーディエンス。絵画のようだった。