高校生ドラフトから1ヶ月も開いて大学生・社会人他ドラフト。中日は平田の指名だけが明らかだった先月と違い 、他球団との牽制や兼ね合いを考慮して候補の名前は何人も挙がっていた。

 希望入団枠:吉見一起・投手・右投げ・トヨタ自動車・21歳
金光大阪高時代から名を馳せていた。昨年、肘を手術してこともあり、素材重視として数年後に期待する。キレの良い速球に加え、抜群のコントロールが身上なだけに先発型か。顔がいかにも中日的。

 3巡目:藤井淳志・外野手・両打ち・NTT西日本・24歳
複数の球団がピックアップしており、指名できるかどうか不安だった。守備だけで飯が食えると言われている強肩は、コントロールと地肩の良さを兼ね備えている。さらに俊足とパンチ力もある打撃で、レフトのポジション争いを激化させる。

 4巡目:新井良太・内野手・右打ち・駒沢大
本塁打王を獲得した広島・新井の実弟で、巨体から繰り出すパワーから荒い守備まで兄弟。2年目以降の、ウッズが去った後の一塁を狙いたい。中日が渇望していた大砲候補として将来は30本塁打を。

 5巡目:柳田殖生・内野手・右打ち・NOMOベースボールクラブ・23歳
遠投130mの肩が一芸として、野茂が立ち上げたクラブチームから隠し玉的存在として、指名予想のあったロッテより先に指名。バッティングは弱いが身体能力が高く、沢井・鎌田とスーパーサブの座を争えるか。

 6巡目:斉藤信介・投手・右投げ・NTT西日本・23歳
NTT西日本の選手は中日に2人、全体で5人指名された。投球フォームに試行錯誤しているが、球速150キロまであとわずかの重みある速球が魅力。力のある球を放る中日リリーバー陣の一翼を担う。

 7巡目:佐藤亮太・投手・左投げ・國學院大
長身から角度あるボールを投げ込む。若手左腕の駒は揃っているが一本化した選手はいない。長峰とは年齢も近く、しのぎを削ってもらいたい。

東京情報大の西村内野手を楽天に持っていかれ、サプライズの柳田はその後釜か。西武4巡目の三重中京大のサウスポー西川を先に狙えた気もするが、保守的なドラフトをする中日は冒険を冒さなかった。他球団では巨人が横浜希望の新日本石油・栂野を果敢に指名、横浜は早稲田大・越智を強奪する報復行為をしなかった。巨人は男を下げつつも素材の良い速球派投手を3人獲得して、今のところ勝ち組ではある。高校生ドラフトに次いで再び入団拒否される可能性もある。大学生ナンバー1と評価される京産大の平野を獲得したオリックスと、自由枠で指名が決定してから急激に伸びた八木を得た日本ハムが、実りあるドラフト会議だったと思われる。