セブンイレブンに限って2番目、他も含めると7番目に近いコンビニに立ち寄った。ある、パートのミセスの、笑顔の対応が目当てである。口元のしわで30台の後半と思われるが肌の艶が良い。学生時代はクラスでトップではないものの、5本の指には入るモテ具合といった顔立ちで、少しつり上がった目と眉がチャームポイントだ。たまに眼鏡をかけて、それも似合う。ちゃきちゃきの下町育ちっぽい歯切れが快活。

コンビニでタバコを買う時は「マルボロライトのソフトケースを二つ 」と注文する。これは長い。下手すると「マルボロライト」の段階で奥の棚からボックスケースを一つ取り「のソフトケース」でそのボックスを棚に戻してソフトを一つ取り「を二つ」でさらにもう一つを取るという、3度の手間をかけてしまう。やんちゃな男のアルバイトだと舌打ちせんばかり、眉を寄せることもある。しかし彼女は何度も振り返っては肩をすくめて、タバコを持ち替えては目を細めながら白い歯を見せてタバコを僕に渡す。最近は覚えてくれたようで、言うが早いか取るが早いか。遠いコンビニといっても帰り道は自転車で5分、ペダルを踏む足もみなぎって自動車をも追い越す。彼女がいなければ最寄のコンビニまで戻り、その場合は10分を要する。