手の中にバジル植物を愛するブンレ ツさんはベランダいっぱいに鉢を置き、自分の朝食より先に水をやる。家庭菜園とまではいかないが、食卓の皿におさまるものもある。その中の一つ、ハーブのバジルが良い香り。100円で苗木を手に入れて、トマトソースのパスタとの相性が絶妙の、幾度となくテーブルに登場する自慢の一品である。まびいた葉を握り締めた彼女が僕の横を通り過ぎて、柔らかいが強く、風が鼻を通った。