ロアルド・ダールの「チョコレート工場の秘密」は鮮明に残っていて、板チョコレートの銀紙の中に金色のチケットが入っていた件など、そのスリリングな喜びは今でも記憶に新しい。児童小説の人かと思いきや、本職はシュールな成人向けの短編小説で、今それを知ったとは面目ない次第だが、映画リメイクに伴って約20年ぶりに著作を読んだ。
変人の多いイギリス人の代表格とも言われる彼の作品は、ユーモアが理解しきれない部分もあるが、これは割と分かりやすかった。備わった男の、日記にしたためられた放蕩生活を、その甥が回顧する表題短編は、とりわけたやすくイメージが沸く。想像力をかき立てられて独自の見解を促す文字を、映像化する意味は果たしてあるのか。さて、映画館に行ってくる。
ロアルド・ダール
来訪者