代沢湯 代沢湯 代沢4-39-9

既に20もの銭湯に行った。その中でも際立って古く、情緒が溢れている。下駄箱もロッカーも建てつけの正常なものが少ない。サンダルを3度入れ直す。客はいるが妙に静かだった。

浴室に入ると中年から老人が5名、1列に並んで体を洗っており、戸をあけた僕を揃って見た。その列に混じりたかったが、他のカランの列はがら空きの中、あえて狭いところに入るのも申し訳なく、背を向けた。世間話に花を咲かせている彼らの声を後ろにする。その中の一人が湯船に入った。後からまた一人が湯船に向かうと、先に入っていた男は柔らかな笑みを浮かべて迎える。それは暖かかった。

浴槽は深いものと浅いもの、気泡が漏れる程度の他は何も施されていない。全てがシンプルで、昔のままのようだった。水温は高く、玉の汗をかいた。

番頭がソファーで客と談笑をしている。脱衣所をうろついたりボイラー室に入ったり、番台に座ったところを見ることはなかった。皆が常連で、僕の疎外感は被害妄想。仲間になるには通いつめなければならない。