衝撃的な低予算で制作された自伝エッセイ映画。監督のジョナサン・カウエットが、自身と母親のレニーを中心に、恋人や家族をカメラにおさめる。極めて赤裸々だった。11歳から撮り始めたというフィルムと写真を駆使してルーツを探る。
画面を分割したり、写真をコラージュのように使用したり、アバンギャルドな映像をインサートして、ジョナサンとレニーの生い立ちを綴る。レニーは幼い頃にその美貌でモデルを務め、町の有名人だった。しかし事故によって精神を患ったとされて、ショック療法を施される。それが原因で性格と容姿が一変する。美貌が崩れる様はショッキングで、ショック療法の壮絶さをうかがわせる。
病んだレニーは親権を奪われ、ジョナサンは里親に育てられることになる。父親は彼が生まれる前に家を去っていた。虐待を受けて彼は、ゲイというセクシャル・マイノリティもあり、バランスを失っていった。自由を求めて故郷を離れたジョナサンだったが、レニーがリチウム過剰摂取のよる中毒に陥った報せを聞いて帰郷する。
レニーが部屋の中で歌い、踊り、笑い続ける姿を延々と撮り続ける。彼女にはかぼちゃや人形がおかしくてたまらない。同じ言葉を繰り返して笑い転げている。カメラを横にずらすと、奥ではレニーの父でありジョナサンの祖父であるアドルフがテーブルに座って何かをしているが、はしゃぐ彼女に目を向けることはない。それがジョナサン・カウエットの家族の現状である。レニーもアドルフもカメラの前では過去を語ろうとしない。ジョナサンとはなかなか向き合わない。
今年2度目の人との鑑賞で、ドキュメンタリーを選ぶ僕のセンスはどうなのだろう。リアクションは微妙だった。