ショーン・ペンをよく目にする。現在「ザ・インターリプター」「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」と主演作が日本で公開され、イラク大統領戦争の取材を敢行しているとのニュースも入ってきた。役者としても監督としても評価の高い彼の監督第一作。実直に生きる兄ジョーと、ベトナム戦争還りで素行不良の弟フランクの交流を綴る。
数年ぶりに再開を果たしたところから物語は始まる。ジョーのナレーションが随所で入った。フランクのことを理解していたつもりで実は分かっていなかったことを最初に告白する。決して明るくはないだろうその先が案じられた。警察官として住民から愛され一家の主として家族を愛するジョーは模範人間でどこか息苦しい。親の期待に応えたジョーが光で、その影をフランクが担った。仕事や女に責任を持てないフランクには、家庭環境やベトナム戦争が背景にある。ジョーは業を背負い、フランクをも背負う。フランクの粗暴はいつまでも続き、彼が盗んだ車はアメリカ国旗がなびく道を走った。影を落とした1970年前後のアメリカがあった。
アメリカの縮図でもある兄弟物語を、脇のデニス・ホッパー、チャールズ・ブロンソン、ベニシオ・デル・トロが武骨さをさらに強化する。
