今週から朝日新聞で連載されている、写真家・島尾伸三の脱力エッセイを楽しみに読んでいる。父親で作家の島尾敏雄のこと、「死の棘」で描かれた島尾ミホのこと、夫人で同じく写真家の瀬田登久子のこと、娘で漫画家のしまおまおのこと。いろいろとあったろうに、他愛もない風に装っている。

そういえば最近「死の棘日記」が出版されたり、高橋恵子主演で「死の棘」が舞台化されたりと、彼ら家族の周辺がにわかに活気づいている。「死の棘」は読破できなかった記憶がある。続編の「日記」やアレクサンドル・ソクーロフ監督作の映画「ドルチェ」が気にかかるのであれば、まず挫折したそれを手に取らざるを得ない。探してみよう。見つからなかったら諦めよう。


著者: 島尾 敏雄
タイトル: 「死の棘」日記