ボケは怖い反面、客観的にみると面白くもある。ブンレツグランマは数年前に脳の血管が切れたのだが、それからというもの退化が見受けられるようになった。元来が利己的な人で、それがあからさまに表へ出るようになった。我慢ができない。人に良く見られたい、良くしてもらいたいという表情・行動が目立つ。それでいて口は未だに達者で「できる人間」然とした発言をする。言動が一致しないのでイライラさせられるが、そのギャップは時として非常に興味深い。長年生きたことで培われた知恵や経験値を披露しつつ、駄々っ子のような一面も見せる。人間は均等に衰えていくのではないことを知った。ブンレツグランマの場合は老いてなお強まる自己顕示欲。自分が老いたときはまず何が衰えるのだろう。