呼吸について
今回は2冊の本を引用しながら呼吸について取り上げたいと思います。
ペンタゴン式 目標達成の技術
目標達成の技術
一生へこたれない自分をつくる
カイゾン・コーテ著 中津川茜 ・訳 幻冬舎
著者であるカイゾン・コーテ氏は
米国国防総省(ペンタゴン)に勤務されている方です。
この本にはそこで実際に行われているトレーニング方法が記載されており、
内容は主に7つに分かれています。
(呼吸 瞑想 認知 知識 健康 自律 時間)
そしてその中でも
呼吸法を身につけることが最重要なこととされています。
「呼吸を制する者は人生を制す」
「呼吸を制する者は勝負を制す」 ペンタゴン格言
以下箇条書きの形式で引用させていただきます。
・ペンタゴンが呼吸を重要視する点は2つ
1 身体機能の健全化
2 メンタル面での安定化、集中力の増加
・鼻から吸って口から吐く
・体内毒素の70%は呼吸を通じて排出される。
・緊張状態が続く中で呼吸を味方に付けることは必須事項
・呼吸の乱れは精神の乱れと呼応する。
・深い呼吸で集中力がUPする
・重要なのは肺容量を十分に使った、深い呼吸。
・成人男女の1分あたりの平均呼吸数は12~16回。
これでは肺容量の18%~20%しか使えていない
・理想的な呼吸は、1分間に8~10回。これで肺容量の50%を使える。
・緊張状態、集中時、運動時に呼吸を止めてしまうのはとても危険。
・交感神経、副交感神経、心拍数
呼吸法を身につけることによってこれらをコントロールすることができる。
・呼吸が他の生理機能と違うのは、意識的にコントロール可能であること
・呼吸法の最終目的は、
身体にダイレクトな形で働きかけることにより、
「心身を理想的な状態にする」こと
・心拍数は上がりすぎるとパニックになり体が硬直する。
下がりすぎるとリラックスしすぎて集中力を欠く。
・「呼吸法を味方につけた人と、そうではない人とでは劇的に人生に違いが出る」
基本呼吸
意識的にこの呼吸法を行う時は
4カウント吸って
8カウント吐く
を目安とする。
1 肩の力を抜き、リラックスした状態を常に心がける。
常に肩に力が入っていないか、確認することを習慣化するとよい。
2 鼻からゆっくりと息を吸い込む。お腹の底へ向かってしっかりと空気を送り込む。
3 お腹の底からたっぷりと肺に空気を送り込むつもりで呼吸を続ける。
自然に「お腹から胸」に体が動く。
4 しっかりと息を吸ったらゆっくりと息を長く口から吐く。
特別な呼吸法 タクティカル・ブリージング(以下TB)
・心拍数は高すぎても、低すぎてもピークパフォーマンスは実現できない。
・TBのカギは、心拍数の調整。
・人間が最高の状態で心身を機能させることができるのは
心拍数が115~145のとき。
・TBを使うとこの間に収めることができるようになる。
TB(タクティカル・ブリージング)のやり方
1 「基本呼吸」と同様、まず肩の力を抜く。
2 鼻からゆっくりと4秒息を吸い
その後4秒間息を止める。
3 息を止め、4秒カウントした後4秒かけて息を吐く。
4 息を吐き終わったら4秒息を止める。
5 ここまでを1クールとし、これは4~5回繰り返す。
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そして次はこの本です。
スタンフォードの自分を変える教室
ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳) 大和書房
著者はスタンフォード大学の心理学者の方です。
こちらも呼吸に関する箇所を引用させていただきます。
・呼吸に意識を集中するのは実に効果的な瞑想テクニック
それは脳を鍛え、意志力を強化する。
・意志の強さは「心拍変動」でわかる。(※1)
心拍変動が高ければ、
誘惑にかられたときに発揮できる意志力の量が多い。
気が散る物を無視したり、欲求の充足を遅らせたり、
ストレスに対処するのが上手であることが分かっている。
難しい課題に取り組んでも、
誰かに批判的なことを言われたりしても、
課題を投げ出さない可能性が高い。
・呼吸のペースを遅くすると
前頭前皮質が活性化し、心拍変動も上昇する。
これが
脳と体をストレス状態から
自制心を発揮できる状態に切り替えるのに役に立つ。
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(※1)
心拍変動に関する説明がこの本には説明がありませんでしたので、
ネットの情報を参考にまとめてみました。
1 まず心拍変動の前に心拍間隔の説明から
2 心拍変動とは?
3 心拍変動が高いとどうなる?
1 まず心拍変動の前に心拍間隔の説明から
心臓はドックン・・・・ドックン・・・ドックンと動きますが
そのドックンドックン間の「・・・・」のことを
心拍間隔といいます。
穏やかな気持ちの時は心拍数が少なくなるので心拍間隔が長くなりますし、
緊張しているときは心拍数が上昇しますから
当然それに合わせて心拍間隔も短くなります。
2 心拍変動とは?
心拍変動とは心拍間隔の変化のことです。
心拍と心拍間隔の関係は
ドックン・・・ドックン・・・ドックン・・・ドックン・・・ドックン・・・ドックン
というように常に一定のリズムを刻む訳ではなく(・・・が常に三つ)
ドックン・・ドックン・・・ドックン・・ドックン・・ドックン・・・ドックン
と常にわずかな差が生じているのが普通です。
3 心拍変動が高いとは?
心拍変動が高いということは
それぞれの心拍間隔(・・・)の差が大きく、ランダムでゆらぎがあるということです。
なので以下の1と2を比べた場合、
1の方が心拍変動が高いことになります。
1 ドックン・・・ドックン・・ドックン・・・ドックン・・ドックン
2 ドックン・・・ドックン・・・ドックン・・・ドックン・・・ドックン
(1は心拍間隔を表す点が2つと3つ。それに対し2は点が3つだけ)
ここでは心拍変動の高低の違いを分かりやすくするために
極端に表現していますが、
実際にはその差はごくわずかなので
正確に心拍変動を測るにはそれなりの計測機器が必要になります。
(それに対して心拍数は脈を探り、そこに指を触れれば機械を使わなくても分かります)
ただ、実際に心臓の鼓動に意識を向けながら息を吐いてみると分かると思うのですが、
息を吐く時間をゆっくり長くすると、それにつれて心拍間隔も長くなっていきます。
その反対に息を吸うと心拍数は上昇し、心拍間隔は短くなります。
私の場合、息を吐き始めてから大体3秒過ぎたあたりで
心拍が落ち着き心拍間隔が長くなります。
そして
緊張・ストレス状態に陥っている場合、
心拍数は上がったままとなり心拍変動も低くなります。
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ペンタゴン式-では心拍変動について言及がありませんでしたが、
スタンフォード-と合わせて読んでみると
ペンタゴンが呼吸法を取り入れている理由がよく分かります。
呼吸法を習慣に取り入れ、それを身につければ
心拍変動をある程度自分の意思でコントロールできるようになるので
その結果として
・気が散る物を無視できるようになり。
・欲求の充足をすぐに求めず先送りできるようになる。
・誰かに批判的なことを言われたとしても
課題を投げ出さずにやり抜ける可能性が高まる。
こういった効果を見込んでいるからこそ
呼吸法をトレーニングに取り入れているのでしょう。
私は呼吸に関連した本を何冊か読みましたが
ペンタゴン式-に書かれていることに一番説得力を感じました。
なぜなら
ペンタゴンでは命に関わる現実的な問題に日々向き合っており、
そこから経験的に生み出された呼吸法は理に叶っているはずだからです。
もし戦争、戦場など緊張を強いられる場面で
パニックになり手足が震えてしまえば
命を落とす危険性が高まるのは想像に難しくありません。
逆にそういった緊迫した状況でも落ち着いて行動できれば
任務を成功へと導く可能性は自ずと高まるはずです。
そう考えると
筋力、鍛錬、規律、戦略など肉体や頭脳に対する警句ではなく
まず呼吸を整えるという基本的なことこそ
最重要課題であると考えるのは納得できます。
呼吸法には多くの種類がありますが
今回はペンタゴン式を紹介させていただきました。
ストレスフルな生活に呼吸法で対処してみるのもいいかもしれません。