沢村賞とは、以下の項目を多く満たせた投手が選出される名誉である。
・登板試合数 - 25試合以上
・完投試合数 - 10試合以上
・勝利数 - 15勝以上
・勝率 - 6割以上
・投球回数 - 200イニング以上
・奪三振 - 150個以上
・防御率 - 2.50以下
近年3年連続で沢村賞を独占していたのは山本由伸(現LAD)である。中でも最も沢村賞の基準を満たした年が2021年。
山本由伸2021
26登板/6完投/18勝/勝率.783/198.2投球回/206奪三振/防御率1.39
圧巻の成績である。
その山本由伸がメジャー移籍をしたため、大混戦となっている沢村賞。しかし彼自身WBCにより調整の遅れが生じ、昨年の防御率以外の数字は圧巻とはいいがたかった。
山本由伸2023
23登板/2完投/16勝/勝率.727/164投球回/169奪三振/防御率1.21
歴代沢村賞受賞者の最少完投数2での達成となった。つまり昨年の山本由伸を基準にすれば、今年の沢村賞候補者が見えてくるのではないだろうか。
(以下成績は9/12現在)
①菅野智之(讀賣巨人軍)
21登板/2完投/14勝/勝率.875/135投球回/100奪三振/防御率1.60
あと2登板、2勝で山本由伸の成績が見えてくるようにも見えるが、近年の奪三振に拘らないスタイルにより奪三振数が伸びない可能性が大きい。
②髙橋宏斗(中日ドラゴンズ)
19登板/1完投/12勝/勝率.800/134.2投球回/125奪三振/防御率1.14
毎春出遅れ癖のある投手ではあるが実力は本物。夢の防御率0点台を達成すれば、尊敬する山本由伸のように沢村賞に選出されるかもしれない。
③東克樹(横浜DeNAベイスターズ)
23登板/2完投/12勝/勝率.800/165.2投球回/122奪三振/防御率1.96
昨年惜しくも沢村賞を逃したが、今年もイニングイーターぶりを発揮。昨年の自身の成績に完投数や勝利数では及ばないかもしれないが、投球回や奪三振数は伸ばしてきそうだ。
④才木浩人(阪神タイガース)
22登板/4完投/12勝/勝率.800/148.2投球回/124奪三振/防御率1.57
完投数が両リーグトップ。あと投球回を伸ばして昨年の山本由伸くらいにしておくと見栄えが変わるかもしれない。
最多勝:菅野智之、最高勝率:菅野智之、最多投球回:東克樹、最多奪三振:戸郷翔征、最優秀防御率:髙橋宏斗で今年は落ち着きそう。ペナントレース同様に投手成績も混沌を極めているので、終盤まで沢村賞争いから目が離せない。
参考
①全盛期菅野智之2018
28登板/10完投/15勝/勝率.652/202投球回/200奪三振/防御率2.14
全項目クリア。
②該当者なし2019山口俊
26登板/0完投/勝率.789/170投球回/188奪三振/防御率2.91
③山本由伸に肉薄した東克樹2023
24登板/4完投/16勝/勝率.842/172.1投球回/133奪三振/防御率1.98