原文
ごめん、同級会には、行けません。いま、シンガポールにいます。この国を南北に縦断する地下鉄を、私は作っています。……本当は、あの頃が恋しいけれど、でも…今はもう少しだけ、知らないふりをします。私の作るこの地下鉄も、きっといつか、誰かの青春を乗せるから。 
 
 

接待編

ごめん、同級会には行けません。いま、料亭にいます。この国の放送を司るお役人を、私は相手しています。……本当は、発覚が恐ろしいけれど、でも……今はもう少しだけ、知らないふりをします。私のするこの接待も、きっといつか、我社の電波を乗せるから。

 
幕張編
ごめん、同級会には行けません。いま、幕張メッセにいます。この国を南北に縦断するアイドルを、私は推しています。……本当は、あの子が恋しいけれど、でも……今はもう少しだけ、知らないふりをします。私の並ぶこの握手列も、きっといつか、誰かの青春を乗せるから。
 
 
一発逆転編
ごめん、同級会には、行けません。いま、高知競馬場にいます。この国を金が南北に縦断する12Rを、私はやっています。……本当は、あの頃が恋しいけれど、でも……今はもう少しだけ、知らないふりをします。私のやるこのファイナルレースも、きっといつか、誰かの青春を乗せるから。
 
 
おまけ
新海誠編
ごめん、同級会には行けません。いま、糸守町にいます。この町を襲った悲劇を回避する未来を、私は作っています。……本当は、あの頃が恋しいけれど、でも……今はもう少しだけ、知らないふりをします。私の作るこの筋書きも、きっといつか、誰かの青春を乗せるから。