『わが母の記』
『わが母の記』
www.wagahaha.jp/
映画の感想ブログは久しぶりです(3月の『セイジ』以降書けていなかった)。
観たのはゴールデンウィーク前で、今更感がありますが、自分のメモとして書いておこうと思います。
少々、ネタバレしています。
井上靖の自叙伝。
幼少時に母に見捨てられたことを引きずっていて、今一つ母親を愛せない(?)息子が、呆けた母親を家族ぐるみで介護して看取る…というお話。
奇行を繰り返すおばあちゃんに家族・親戚が、時に嫌気がさしたり揉めたりしながらも、ちゃんと介護していく。今の日本では、よくある光景なのかもしれません。
息子は、兄弟で自分だけが親類の家に預けられたため(確か、戦時中に日本から逃げる時に一人だけ置いて行かれた)、自分は母親から捨てられたという記憶になっているようなのですが、後に、実はそれは仕方のない事情だったことが分かります。
もしも日本脱出の際に船が沈みでもしたら、一家の血が絶えてしまう。一家の血を絶やさないために、一番強そうな、一人でも生きていけそうな子を一人必ず日本に残さなくてはならず、その一人に選ばれたのがこの息子だった。母は泣く泣く息子を置いて行った…というのがいきさつ。
母もずっとそのことを気にかけていたのでしょうか。
呆けて息子のことが誰だかわからなくなっても、息子自身でさえ忘れていたような、息子が幼少時に書いた作文をしっかりと覚えていて、何度もつぶやいていました。
それを聞いた息子が、母の愛を確信して涙するシーンは本当に泣けました。
こうして母の愛に気づいた息子も、母親に対してほんの少しだけど気持ちを許して心を開き、忙しく不器用な息子なりに母を介護していきます。
お母さんに、息子はもうそんなに恨んでないよ、っていう気持ちが伝わったかは疑問が残るところです。でも少なくとも息子は残りの人生を「ちゃんと母親に愛されていた」と思って生きて行くことができるので、そういう意味で、この母子がともに過ごした最後の時間は、母親から息子へのせめてものプレゼントのようなものだったのかもしれません。
キャストも豪華で(母親役が樹木希林さん、息子役が役所広司さん、孫役が宮崎あおいさん)、素晴らしい映画でした。
「親に愛された記憶があまりない」という話はよく聞くのだけど、その中にはかなりの割合で“誤解”があるのではと勝手に思っています。
できればお互いが元気なうちに、誤解が解けて、失った時間を埋めることができれば良いなと思っています。
この映画は、その手助けになるかもしれません。
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映画の感想ブログは久しぶりです(3月の『セイジ』以降書けていなかった)。
観たのはゴールデンウィーク前で、今更感がありますが、自分のメモとして書いておこうと思います。
少々、ネタバレしています。
井上靖の自叙伝。
幼少時に母に見捨てられたことを引きずっていて、今一つ母親を愛せない(?)息子が、呆けた母親を家族ぐるみで介護して看取る…というお話。
奇行を繰り返すおばあちゃんに家族・親戚が、時に嫌気がさしたり揉めたりしながらも、ちゃんと介護していく。今の日本では、よくある光景なのかもしれません。
息子は、兄弟で自分だけが親類の家に預けられたため(確か、戦時中に日本から逃げる時に一人だけ置いて行かれた)、自分は母親から捨てられたという記憶になっているようなのですが、後に、実はそれは仕方のない事情だったことが分かります。
もしも日本脱出の際に船が沈みでもしたら、一家の血が絶えてしまう。一家の血を絶やさないために、一番強そうな、一人でも生きていけそうな子を一人必ず日本に残さなくてはならず、その一人に選ばれたのがこの息子だった。母は泣く泣く息子を置いて行った…というのがいきさつ。
母もずっとそのことを気にかけていたのでしょうか。
呆けて息子のことが誰だかわからなくなっても、息子自身でさえ忘れていたような、息子が幼少時に書いた作文をしっかりと覚えていて、何度もつぶやいていました。
それを聞いた息子が、母の愛を確信して涙するシーンは本当に泣けました。
こうして母の愛に気づいた息子も、母親に対してほんの少しだけど気持ちを許して心を開き、忙しく不器用な息子なりに母を介護していきます。
お母さんに、息子はもうそんなに恨んでないよ、っていう気持ちが伝わったかは疑問が残るところです。でも少なくとも息子は残りの人生を「ちゃんと母親に愛されていた」と思って生きて行くことができるので、そういう意味で、この母子がともに過ごした最後の時間は、母親から息子へのせめてものプレゼントのようなものだったのかもしれません。
キャストも豪華で(母親役が樹木希林さん、息子役が役所広司さん、孫役が宮崎あおいさん)、素晴らしい映画でした。
「親に愛された記憶があまりない」という話はよく聞くのだけど、その中にはかなりの割合で“誤解”があるのではと勝手に思っています。
できればお互いが元気なうちに、誤解が解けて、失った時間を埋めることができれば良いなと思っています。
この映画は、その手助けになるかもしれません。