ちょっと前に、例の音の狂ったピアノを弾いてストレスを発散していたら、
私が働いている介護施設の受付のおっちゃんのVが、
「調律をしてもらおうと思うけど、ここまで狂ってたら治らないかも」
と言って来た。
私も、押しても音が出なかったり、
全く的外れな音を出すこのグランドピアノは、
きっと調律師に頼んでも、まともな音を出せるようにはならないだろう、
と思っていたので、そう言った。
そしたらVが、
「チャペルの中のピアノを弾けば良いのに」と言って来た。
実は、前に神父様に同じ事を言われたけど、
ちょっと怖じ気づいてしまって、と答えたら、
「全然大丈夫だから。あのピアノを弾くと良い」と言ってくれた。
その言葉に甘えて、その日のうちに勇気を出して誰もいないチャペルの中に入り、
少しだけ音を出してみた。
そのピアノは、木製のアップライトピアノで、見た目は古びているけど、
音を出したら、その奇麗な音色に驚いた。
音を出すたびに、何かキラキラした物が降ってくるような感じの
とても耳心地の良い音なのだ。
チャペルの奥の祭壇の左側に置いてあるので、
天井がその部分だけ高くなっている事もあって、
音が良く響くのかもしれない。
それにしても、とても奇麗な音を出すピアノなので、
いつかは弾いてみたいなあ、と思ってその日は終わった。
が、翌日。
仕事でちょっとイラつく事があり、
その怒りも手伝って、ついにそのピアノを弾いてみる事にした。
そうしたら。
ものすごく気持ち良く弾けました。
はっきり言って、ウチのピアノの何倍も良い音が出るので。
最初は、あまり大きな音を出さないように気をつけてたけど、
気がついたら、一心不乱に弾いてました。
そして今朝も、チャペルに誰もいなかったので、休憩時間の30分間
ずっとピアノを弾いてました。
月の光を弾き終えた時に、入り口の辺りで拍手の音が聞こえたので振り向くと
看護師長のSが「すごく上手ねえ」と笑いながら言ってくれた。
照れくさかったけど、「メルシー」と言って、そのまま弾き続けました。
そんな事があった今朝のチャペル。
ところで、午後14時半はいつもは会議の時間なのだけど、
今日は、その時間に施設長から皆に話があると言う事で、
チャペルに集まる事になった。
施設長は、金髪の線の細い優しそうなおばさんで、
施設長と聞いて想像していたイメージとはほど遠い人だった。
その施設長からの話とは、
今年になって、ワクチンを一部の利用者さんに打ったこともあり、
社員達にもぜひ打って欲しい、と言う話だった。
少し前に、「アナタはワクチンを打ちたいか」と言う紙を貰って、
「“はい“か“いいえ“のどちらかを選んで、その部分を切りとって施設長の連絡箱に入れるように」
と言う事だったので、
「いいえ」を選んだ私だった。
そうしたら、思いのほか“はい”を選んだ人が少なかったため、
施設専属の女医も担ぎだして
「ぜひワクチン接種を検討して欲しい」と熱弁された。
そうは言っても、このワクチン、まだまだわからない事だらけで
はっきり言って、あまり受けたいとは思えない。
あと半年くらいして、安全性が確認されてからなら、
と思って、「いいえ」を選んだのだけど。
ま、「いつ意見を変えても良い」とも言っていたので、
少しして、大丈夫そうなら考えてもいいかな。
でも、すぐにはやっぱり受けたくない。
メリットよりリスクの方が多そうで怖いので。
そんな話とか、その他の細かな話を一時間以上されて、
実はちょっと眠かった私でした。
しかも、そろそろ利用者さん達のおやつの時間なのに、
と焦ってたし。
終わってセクションAに帰ったら、案の定、おやつを配り終えた後でした。
一応、社員だけの集まりだったので、
一日契約の介護士は、各セクションにとどまっていたため、
別にそこまで時間がずれる事もなかったけど。
日本だったらあり得ないな、とやっぱり思った私でした。
そんな事があった、今日のチャペル。
これからは、時間があったらピアノを弾きに行ってしまいそうだ。
やっぱり、音の良いピアノは気持ちがいいので。