そんな生活を長く続けられる訳もなく

 約1ヶ月が過ぎた頃おかしな事が起きる

 様になった。


 いつもの様に零の世話をしている時 私の

 周りにカナブン位の大きさの黒い影が

 飛ぶ様になった。

 この頃まだギリギリ夏だったのでてっきり

 虫が家に入ったのだと思い

 後で捕まえればいいか位にしか思って

 いなかった。


 ただなかなか捕まえる事が出来ずいつも

 私につきまとって来る。

 そんな生活が1週間過ぎた頃ようやく

 おかしい事に気付いた。


 この日も捕まえようとすると消えて

 居なくなる。ふとある事に気付いた。

 いつもかなり近くを飛んでいるのに

 羽音がしない。もしかして私‥幻覚を

 見てるんじゃないの?

 ようやく自分の体の異常に気付けた。


 この事をキッカケに私は生活を見直す

 事にした。

 日中何かする時には必ず零に説明するよ

 うにした。


 「お風呂の掃除をしてくるから少し離れる

   けどちゃんと家に居るからね。

   呼んだら戻って来るからね。」


 そんな感じでちゃんと家に居て呼べばすぐ

 戻って来ることを伝えて家事をする様に

 した。

 始めは不安で何度も呼ばれてなかなか

 思う様に家事は出来なかったが零も少し

 ずつ慣れていった。


 そして夜もちゃんと寝る様にした。

 きちんと睡眠をとる事でもう黒い影も見なく

 なった。