"コンコン" ドアをノックする音がした。
「失礼します。」
九頭センター長が入ってきた。
すぐさま零の前に立ち零を隠した。
九頭センター長は入院生活の流れを説明し
最後に信じられない事を言った。
「‥では1週間お母様と過ごして頂いて、その後はこちらで零ちゃんを預からせて頂きます。」
「!? は?そんな話し聞いていませんけど?」
「えぇ。ですからまた零ちゃんには1人で入院して貰ってリハビリを受けて貰います。」
「そんな話、電話でしていませんでしたよ。悪いですけどこちらは言うことを聞いて戻って来たんだからそれでいいはずですよ。預けて帰るなんて絶対しません!」
「どうしてですか?」
「当たり前です!預けて私だけ帰るなんてありえ ません。」
この後も何だかんだ言っていたが大した理由
は無かった。
例えばこちらで預かってしっかりリハビリを
させて欲しいですとか言うのならわかるが
そんなまともの理由は何も無かったので
本当に何も考えずに部屋を訪れて来たん
だろうなって感じでした。
そして私が絶対譲らないのがわかったのか
「わかりました。」そう言って部屋を
出て行った。
この日以降、現在までの9年間九頭センター
長と会っていません。