「では、もう少ししたら係りの者がおりて

  来ますのでお子さんに付いててあげて

  下さい。」


 「はい。わかりました。」


 そしてようやく零に会えた。


 適切な処置をしてもらった零は顔色が

 少し良くなっていた。

 そして少し興奮した様子で目を大きくして

 キョロキョロしていた。


 「零ちゃん、ここ大学病院だよ。

  また入院する事になったけどさっきの

  先生が痛いのなおしてくれるから

  もう少し待ってね。

  ママ側にいるから安心してね。」


 そう伝えると少し安心したのか表情が

 やわらいだ。


 新しく取り直した点滴に痛み止めが入って

 いるのだろう さっきまでと様子が

 全然違って見えた。


 そして病棟に上がるタイミングでS病院の

 2人と別れた。