まず遠い食堂から探しに行った。


まだ人はあまり居なかったが零の姿が見えない


居ない‥どこに連れて行かれたんだろう?

よく探してみると 食堂の奥の大きな柱の後ろに零のつま先が見えた。


あ、あんな所に居た。

零に近づき始めると 零の前のテーブルで食事をしていた車いすの子供が突然 零の剥き出しの足に向かって下がり始めた。


 !!!


「危ないっ!」


慌てて駆け寄り車いすを掴んだ。

車いすは零のつま先ギリギリで止まった。


危なかった‥


突然動かなくなった車いすをまた下げようとする子に


「どうしたの?」と訪ねると


「スプーン落としたから拾ってるの」と答えた。


「あ‥ちょっと待ってね。今、新しいの持ってくるから。」車いすをもとのテーブルに戻しブレーキをかけて 

そして零を安全な場所に移動させてから新しいスプーンを取りに行った。