2000年 春
私はとても小さな極小未熟児を出産した。
生まれつき腎臓が悪かった私は妊娠に適した体ではなく、胎児が大きくなるにつれて2人の命が危険になるため8ヶ月での出産になった。
わずか1kgに満たないその小さな命に
私は零と名付けた。
出産から7日後、零の小さな体に異変が起こり大きな手術を受ける事になり小児科に呼ばれた。
零の保育器の周りが慌ただしくなっていた。
「お母さん!こっちに来てください!もう手術室に行くから赤ちゃんに声をかけてあげて下さい!」
突然そう言われて出た言葉は‥
「ごめん‥ごめんね。がんばってお願い‥」
だった。こんな事になりただ謝ることしかできなかった。