先月、葉室 麟さんの「蜩ノ記」を読みました


なかなか忙しくてアップできませんでした(^_^;)

第146回直木賞受賞作品
オードリーのひとりごと-CA3G0927.jpg


「ひとは心の目指すところに向かって生きているのだ、心の向かうところが志であり、それが果たされるのであれば、命を絶たれることも恐ろしくはない。」

10年後の切腹を言い渡されながらも、凛として、藩や農民を思い日々自分の課せられた自分の仕事を淡々とこなしていく秋谷の清廉さ。

秋谷の生き様が、素晴らしい…。

最期が決められた身でありながらも、心静かに、我身のことより藩や村人のことを考える姿は、読んでいる側にとっても心清められる感じです。

秋谷の側で過ごしていくうちに、庄三郎が変化し成長していく様は、人間は関係性の中で育つのだということを改めて思いました。

また郁太郎が健気でとても無邪気で、今後の成長が楽しみです。きっと秋谷を越える武士になってくれるのではないかな~と思います。


この作品で一番苦しくなったところは、なんといっても、源吉の強さと限りない優しさです。


私にはできない…


あんな時に笑い顔なんて…涙が出ます。

心打たれました。

目を閉じると源吉の笑顔が浮かび、夏の空に響く蜩の声が聴こえてくるような気がします。

源吉の死を無駄にしてはならない。


秋谷や源吉の生き様に触れた郁太郎や庄三郎のその後が見たいですね。



自然に囲まれたのどかな農村の美しさが気持ちを穏やかにさせてくれます。
この作品は、映像化されるでしょうね


人と人との繋がりの大切さをしみじみと感じさせられました。


ただ、気がかりなことがひとつありました。
それについては、次回に…。