こんにちは
先日、サンパウロの治安についてご質問をいただいたので、今回は実際住んでてどんな感じかをお伝えしたいと思います
日本にいる頃、ブラジルはすごく治安が悪いと聞いていたので、行くのはとても不安でした
実際、2020年のサンパウロでの犯罪件数を見てみると
強盗事件はサンパウロ州全体で250,730件
(サンパウロ市内で141,478件)
これを人口10万人に対し何件起きてるかで比較すると、
サンパウロ州全体では、大体 560件
サンパウロ市内では、大体 1190件
ちなみに日本では、大体 1件
ということなので、いかに事件が多いかが分かるかと思います。
(数字は在サンパウロ日本国総領事館のHPを参照しました)
もちろん、殺人件数も窃盗件数もとても多いです。
じゃあみんなどう生活してるの？
外歩けないの？
ドア to ドアで車移動？
全然そんなことありません
普通に外を歩き、買い物に行き、レストランで食事してます
コロナ前は、電車もバスもガンガン使ってました
(公共交通機関については、個々人や所属企業によって考え方が違います。バスは乗っちゃダメと会社や旦那さんから言われているという友達もいましたので、ご確認の上自己責任で…。)
それでも、幸いなことに、この６年間一度も犯罪に遭ったことはありません
他の中南米諸国や、アジアでも、国によって
外を自由に歩けない とか、公共交通機関は使えない とか聞くことがあるので
サンパウロは気を付けさえすれば、比較的自由に行動できるという印象があります
では、どんなことに気を付ければいいのか
おそらくサンパウロに住み始めれば、自ずと知ることになると思いますが、
私が普段気を付けていることをご紹介したいと思います
①服装・装飾品
セオリーとしては現地の人に溶け込むような服装となるのでしょうが
基本的にみんな着たい服を着ているので、これといった型があるようでない
強いて言えば、お尻を強調する文化なので
・トップス短め、タイトめ もしくはピラピラ、布面積少なめ
・ボトムスはレギンスかスキニー もしくはショーパン ワイド系でもお尻周りはタイト
じゃなければ夏
な感じのショートワンピかリゾートワンピが多いかなという印象です。
でも、日本人のみなさん、普通にお手持ちの日本風の服装で生活されてる方多いです
問屋街や旧市街など、治安の悪いエリアに行く場合は、
できるだけ上記に寄せた服装 (しかもできるだけボロいやつ) がお勧めですが、
日本人生活エリアではそこまで気にしなくて大丈夫です！
ポイントは装飾品
で
・アクセサリーは、良いものは付けない
・バッグや腕時計はブランド品を避けて
・靴もスニーカー以外は海外ブランドは避けた方が無難 (そもそも道が悪すぎて靴が可哀相)
窃盗もあるし、盗られてショックを受けるものは持ち歩かないのがベターです
②時間帯
強盗事件の発生時間は一般的に夕方以降、薄暗くなってから夜にかけてが多いです
なので、その時間は出歩かない。
どうしても出る用事がある時は、短距離でも車を使うようにしています。
但し、最近はUBERやタクシー配車アプリの発展により、みんな車を呼ぶのにスマホを開くので
そこを狙って携帯を盗ったり、UBERを狙った犯罪も増えているので、重々お気をつけください
できれば店内やマンション内でしっかり見ておき、路上に出たらスマホは開かないつもりで…
③スマホ
今はスマホもだいぶ普及して、道端で使ってる人も増えてますが、それはここ5年ほどの話。
その前は、スマホは外で出すな！と言われました
携帯電話の意味なし
みんなが使うようになった今でも、スマホ、特にアイフォンは、換金率がいいとかで、窃盗・強盗の標的になりやすいです
夜でなくても、路上でスマホを開くときは、周囲をよく確認して
できれば近くに警備員等、ちゃんとした人がいるところで見るようにしてます
近くに怪しい人がいなくても、チャリが遠くから猛スピードで来てスマホ引ったくって逃げるなんて事件もよくあるのでね
レストランなどは比較的安心ですが、ショッピングや公園など誰でも入れる場所は、周りを確認してから。
あと念の為、アイフォンの
マークが見えないように手で隠すようにしてます
(あのが隠れるケースを作ってほしい…)
④歩行中
会社主催の安全対策セミナーで、
360度半径500メートルにいる人に常に気をつけろ
なんて言われたんですが
そんなの到底ムリなので
せめて、キョロキョロしたり、たまに後ろを振り向いたり
周りを気にしてるよポーズを取りながら、できるだけスタスタ歩いてます
それから、例えば習い事でいつも決まった時間決まった場所へ行く場合、
あえて寄り道したり、たまに道を変えたりしてました
効果あるのかなーなんて半信半疑だったんですが、
それをやってなかった友達が、あわや！という目に遭ったと聞いて、意外と大事なんだな、と
⑤荷物
・バッグはファスナーなどで閉まるもの
・内ポケットがあれば、貴重品はその中へ
・リュックサックは、乗り物内など止まってる時や人混みでは前抱き
(問屋街でリュックを背負って歩いていて、ジジジ、と小さな振動を感じて振り向いたら、外ポケットのファスナーが1/4ほど開けられてたことがありました
犯人は普通の見た目のおばちゃん
外ポケット空っぽだったけど、ヒヤッとしました…)
不自然なまでに警戒した持ち方をしたら、逆に良い物持ってると勘違いされて狙われそうな気がしますが笑、
あれは盗りづらいな、と思ってもらえるかなーくらいに脇を締めて持つようにはしています
⑥スキミング対策
ブラジルは元々カード社会な上、コロナからフェイラでもカードが使えるようになり、
ほぼ全ての局面でカード支払いになっています。
そこで怖いのがスキミング
カードでの支払いの際、
・できるだけ自分で機械にカードを差し込み、自分で抜く (店員に触らせない)
・店員にカードを渡す場合は絶対に目を離さない
(目を離した隙にカードの写メを撮ってる店員の防犯カメラ映像を見たことがあります)
・暗証番号を入力する際は、手で覆い隠す
(店員が目を逸らしていても、防犯カメラ等にうつっている可能性もあるので)
というようなことに気を付けています。
⑦車での移動
地味に多いのが、車での移動中の強盗
車内だと安心しがちなんですが、よくあるのが、
信号で止まってる時に窓を石で割られて、
ナビとして使っているスマホを盗られるケース
治安の悪い地域だけでなく、うちの近所でも起きています
対策としては、
・３車線以上ある道路では、両端の車線を避ける
・信号や渋滞で先が詰まっていたら、早めに減速し、完全に停車する時間を極力減らす
ということを夫は実践しているそうです (私は運転しないので…)
⑧襲われた時のための備え
色々書いてきましたが、強盗に遭う時は遭う
運でしかないです
一番大切なのは命なので、
遭ってしまったら要求されたものを素直に差し出すこと！
その際、躊躇うことがないように
・スマホ内のデータはこまめにバックアップを取っておく
・お財布もスマホも盗られた時に帰れるだけのタクシー代をどこかに持っておく
なんて対策をしておくと、いいと言われています
最近サボってた…
以下、聞いたことのあるブラジルでの強盗事件のパターンを記載しておきます
☆不可抗力ケース☆
・レストラン強盗
そのまま、レストランに強盗が押し入るケース
最近聞きませんが、一時期大流行りしました。
これはもう、居合わせてしまったら大人しくしているのみです。
万が一、突入した警官と銃撃戦に発展したら、とにかく伏せて流れ弾に当たらないように気を付けてください、と指導を受けました
・プレジオ強盗
プレジオ(マンション)内に強盗が侵入するケース
私がサンパウロに着いた当初、パライゾ地区で大流行してました
今は対策として各プレジオが入り口を二重門にしたり、
来客は必ず住人に確認をとってから入れるようになってますが、
最近も不動産屋に扮した？強盗が入ったケースがありました。。。
・在宅中もドアの鍵はかけておく(特に勝手口)
・事前連絡のない訪問には、誰が来たか確認できるまで扉を開けない
を心がけていますが、来ないでほしい…
・Arrastão
「地引網み」という意味の単語ですが、集団強盗を意味します。
サンパウロでは多くありませんが、リオで多発。
オリンピック前は、毎日、渋滞する大通り２本のうちどちらかがやられるから、今日はどっちかな、という有様だったとリオ駐在の人が言ってました…。
渋滞して止まってる道路に強盗集団が四方からやってきて、軒並み強盗されます
これは、遭ってしまったら従うのみ…
車内でなく歩道にいたら、近くのお店に逃げ込みましょう
を使わないケースでも、集団ひったくりは、ビーチや、サンバカーニバル、年越し花火などで常に起きます。
行かれる方は、特にスマホに気を付けてください。
・短時間誘拐
数年前たまにあって、しばらくなくなったものの、つい最近パライゾ地区で起きたケース
以前は、誘拐したらATMで１日の限度額まで引き出させ、日付が変わるまで拘束し、その後また限度額まで引き出させて解放するパターンと
カード限度額まで買い物をさせるケースがありました。
最近起きたものは、噂ですが、PIXという新しい手軽な振込方法を使って振り込ませたのではないかと言われています。
誘拐の仕方も巧妙で、狙われたら逃れられる気がしない
標的にならないよう、目立たないようにする、周りに注意する くらいしか対策はない気が…
☆気を付ければ避けられるケース☆
・置き引き/窃盗
レストランで食事中、足元に置いてたバッグが盗られる、
椅子と背中の間に置いてたのが盗られる、
タイヤがパンクして、直してる間に盗られる
(パンクさせる所から、直す人までグルだったりする)
話しかけられて、気を取られた間にバッグの中身を盗られる
などなど、バリエーションは多岐にわたります。
基本的に、絶対に自分の荷物を離さないように。
・ひったくり
スマホのところでも書きましたが、路上スマホは、ひったくりの格好の餌食
周囲の人を確認するのは勿論、
バイクや自転車、スケボーのひったくりは、かなり遠くからでもすごいスピードで来るので、
安全な場所はないと思った方がいいです
写真とるときも、ササっと撮ってすぐしまいましょう
・ATM引き出し後の強盗
最近は現金を使わないし、振込も簡単になったのでこの手の事件は減ったと思うのですが、
数年前まで学校の入学金やテキスト代が現金払いだったため、
そのシーズンになるとATMでおろした直後に襲われるケースが多発しました。
・出来る限りカードもしくはスマホからの振込で済ませる
・どうしても現金が必要な時は、安全が確保できる会社内のATM等を使わせてもらう
・少額ずつ数回に分けて、多額を一気に引き出すことは避ける
・ATMに入る前後で、付近にずっといる人がいないか確認する
等の対策を取るようにと言われました。
・日系両替所
これは今めっきり聞かなくなりましたが、
こんなこともあったよという例として…
リベルダージに日本円とブラジルレアルを両替できる場所があったのですが、
そこで両替した人が帰宅中に襲われる事件が多発しました。
遠回りした人も襲われるし、
現金を分散して隠しても全部盗られるので、
両替所内に内通者がいるのではと疑われたりしてました。
ドルを介さずに両替できるのはレートもいい？のかな？だし、とても便利だとは思いますが、
利用しないにこしたことはありません…。
☆危険な場所☆
・セントロ
旧市街とその周辺は、最も治安の悪いエリアです。
Mercadão や安い小物商店が並ぶことで有名な Rua 25 de Março はここに位置しますし、
少し外れますが、韓国人街で有名なBom Retiroや、問屋街Brás、東洋人街Liberdadeも危ないエリアなので、
夕方前に退散すること、
貴重品は持たず、服装にも気を付けるようにしましょう。
・教会の側
セントロもそうですが、教会がある周りには、施しを求めて貧しい人々が集まります。
全員が全員、悪意があるわけじゃないのですが、
総じて治安が悪くなる傾向があるように感じます。
パライゾ・ジャルジン地区近辺で有名なのは、
Av. Brigadeiro Luiz António沿いのスーパーExtraの隣。
この付近でひったくりに遭っている人、けっこう聞きます
・大通りに抜けやすい細い路地
サンパウロの細道はみんな一方通行なのですが、
大通りに向かう方向の路地の、大通りに出る直前あたりは、危険エリアと思っています。
なぜなら、盗った後すぐ大通りに出られるからスピードを出せて(特にバイク)、逃げやすいため。
日本領事館のある建物の喫煙所は、まさにこの条件に当てはまります
同じ理由で、Av. 23 de Maioに出やすい、パライゾ地区 Rua Tomás Carvalhal のAv. Paulista寄りも注意が必要だと聞いたことがあります。
☆犯罪が増加する時期☆
•景気が悪い時
6年ほど前、治安が落ち込んだ時期に凶悪事件が増加しました。
その後少し落ち着いて、コロナ初期は皆が外出を控えたこともあり強盗件数も減少しましたが、
コロナが長引くにつれ当然景気も落ち込んでるし、また最近犯罪が増加している気がします。
•クリスマス、カーニバル付近
イベント前は物入りなのか、犯罪増加傾向にあります。
特にクリスマス前はみんなプレゼントを買うので、そのタイミングを狙った犯罪も起きますし
(サンパウロではありませんが、夫のポルトガル語家庭教師一家が、クリスマスプレゼントを買いに行った帰りに強盗に襲われ、プレゼント満載に乗せた車ごと盗られてました…気の毒すぎる)
クリスマス恩赦で犯罪者が家に戻り、そのまま刑務所に戻らない人が毎年いて、この付近は犯罪が増えます
カーニバルはコロナ前は人が集まるし、観光客も増えるので犯罪多発します。
そこそこの期間住んでいると、色んな事例を耳にするし、
その都度何に気をつけろとか方々から注意喚起を受けるので、
思い出すままつらつらと書きましたが、
私もすべてをいつもきちんとやれているわけじゃなく
それでも、こういうこともあり得るんだと知っているだけでも、違うと思うんです
実際、ブラジル人の知り合いもまあまあ、強盗、窃盗、ひったくりに遭ってます。
でも、運が悪かったわーって感じで、普通に生活してます
日本ほど安全な国はないし、ブラジルは治安の悪い部類に入ると思いますが、
何より命を第一に！の大前提を忘れず、対処を心がけておけば大丈夫
遭ったことない私が言っても説得力ない
それに、ブラジルの犯罪は殆どの場合理由が明確で
お金やスマホさえ渡せば、銃で脅されたとしても殺されることはほぼない
殺してみたかったから、とか
ムシャクシャしてたから、とか
人種の問題で、とか
そういう無差別殺人はほとんどないです。
(ゼロではありません念の為)
だから、却って身を守りやすいかな、と前向きに思ってます
みなさまも、怯え過ぎずに楽しく生活していっていただけたらと思います
だらだらと長くなってしまい、読みづらくなってしまってすみません
最後までお読みいただき、ありがとうございます