オリックス 野手陣 2021年終了時 寸評 | 長嶋茂雄の現役時代を知らない君たちへ〜 500のメッセージ〜(俺も知らない)
2021年シーズン通しての振り返りをしてみました。前半戦終了時にも寸評書いたので、主に後半戦の話題が中心です。
あと年跨いで書いてるので、今年とか来年とか言葉が出てくるけど、あくまで2021年ベースです。
もう忘れてることも多くて書くの大変だったけど、せっかく優勝したし、どうにかまとめた。ホントはもっと控え野手についても書きたかったけど、とりあえず今回は主力中心。

福田周平
「必ずお前が必要な時が来る。その時まで準備していてくれ」と指揮官に言われての開幕直後の二軍落ち。
戻ってきてから、シーズン終わるまで、本当に必要な選手になってくれた。
大きく離脱することなく一番センターの座を守り、シーズンを完走したのが本当に素晴らしい。
福宗杉、この3人がレギュラーを守りきったのが本当に大きい。
シーズン終盤は下半身の粘りが無くなって、外野正面へのライナーやフライが増え凡退に終わることが多くなった。下半身強化して来年は3割。
外野守備も前後の判断にまだ課題が。本人も言っていたが一歩目の判断がワンテンポ遅れてしまう。緊迫した場面が増えるにつれて、急造センター福田の不安さが露呈した。
来春キャンプで守りの面を徹底的にやって欲しい。

宗佑磨
10月ロッテ天王山初戦でみせた涙のホームランは忘れられない。10月に入って不調に陥っていた宗の会心の一撃だった。
後半になるに連れて、俺がチームを引っ張るんだって姿勢が強く見えて頼もしかった。
「彼みたいにいつ野球ができなくなるかわからない。僕達は勝たないといけない」と、弟分西浦の引退発表後の声出しは感動した。
あの悪夢の10.2正尚離脱で雲行きが怪しくなった翌日のソフトバンク戦。デスパイネの三塁線の痛烈なライナーを掴み取った宗のビッグプレー。アレが抜けてたら優勝できてなかったかもしれない。ゴールデングラブおめでとう。

吉田正尚
2年連続首位打者おめでとう。
既に打撃道を極めし者の風格が出てきたけど、ここから更に進化するんだろうな。
いなくなって改めて感じた吉田正尚の存在感。9月最後の天王山で正尚が帰ってきて、「正尚に繋ぐ」って意識でひとつになった打線は、2021完全体オリックス打線って感じがして凄くワクワクしたなぁ。
凶暴さの増した打線は2014年終戦記念日にあたる10.2ソフトバンク戦でも序盤から爆発した。
...勝てる、勝てるぞ!もう呪いなんてないんだ!オリックスは乗り越えたんだ!この打線で優勝まで突っ走るんだ!
と思った矢先。正尚の手首に大関のボールが当たった瞬間、一気に血の気が引いた。
もうそっからは、その試合の上の空だった。正尚の手首のことしか考えられなかった。
そして最悪の結果となってしまったわけだ。
だけど、そこからよく正尚不在で優勝したものだ。本当にみんな頑張ったなぁ。
ホーム最終戦で久々にユニフォーム姿で正尚が挨拶に出てきた時は、勇気が出たなぁ。
そしてよく、CSで帰ってきてくれた。
日本シリーズ初戦のサヨナラ打は、まさに主役の一撃だった。
そしてシーズン終了後、まさかの背番号7に変更が発表された。ハーパーはずっと34付け続けるもんだと思ってたし、34が似合ってたから、残念な感じもするけど、
でも心機一転、準永久欠番の7を背負うってことは、コレもしかして、ずっと居てくれるのか??居てくれれば何番でもいい。
とりあえず変わる前に34のユニ買ってて良かった。

杉本裕太郎
ホームラン王おめでとう。
「こんだけチーム弱いんだし、長打がねえんだから、ラオウ使えや!フルシーズン使って、.150でも20本打つラオウが観たいんじゃ!」とほんの少し前まで謎に幽閉される杉本について俺のフラストレーションが爆発しそうだったあの頃が懐かしい。
そして遂にフルシーズン出ましたよラオウ。
なんですか、.301 32本って!誰ですか?!
一気にスターダムを駆け上がったよね、ほんと嬉しいわ。大社卒ドラ10のロマン砲が時間をかけて3割30本打つ4番に成長したって事実は野球界全体にとってエポックメイキングな出来事だよね。 
CS2戦目の先制ツーラン、日本シリーズ3戦目の同点ツーラン。印象に残るホームランも多かった。
なによりシーズン後半の「正尚を日本シリーズに連れて行く」って発言してホームラン打ったり、優勝後の正尚に宛てた手紙は感動した。
マイナス面を挙げると、日本シリーズでは結果が出ない時に打席でへたり込むようなシーンを何度か見た。
精神論になるけど4番バッターは結果がどうあれ堂々とベンチに帰ってきて欲しい。世紀末覇者なんだから尚更。
あとはクッション処理がねー、下手すぎる笑
別に特別守備悪いわけじゃないのに、クッションだけやる気ない外国人並みにおっそい!
杉本、福田、正尚、来春は徹底的に守備をやってほしい。

T-岡田
21年間プロ野球観てきて、歴代マイNo. 1ホームランが今年更新されました。9.30T-岡田衝撃の逆転スリーランですよ!思い出す度に興奮する。
その他にも9.28の200号のメモリアル逆転スリーラン、4月の西武増田から打った同点スリーベース、交流戦最終戦の栗林に土を付けたサヨナラ打、CS初戦の先制タイムリー、3戦目9回裏の先頭打者としてのヒット...おいおい、名シーン製造機か。とても.241のバッターとは思えない。来年も期待...ってと思うとめっちゃ期待裏切るのがこの男だから、期待しない。でも25ホーマー打って欲しいなと思ったりする自分もいるわ。

紅林弘太郎
俺が選ぶ今年のMVPは紅林。勿論成績で選ぶと由伸だったり、ラオウだったり、正尚だったりするわけだけど、このチームへの波及効果を考えると紅林かなって。
19歳の紅林が頑張ってることで、中堅の宗や杉本達、ベテランのTや安達のケツに火が付いただろうし、一個上の太田、一個下の来田等同世代の選手にも刺激になったことは間違いない。
2月の紅白戦、本田からどデカい1発を放って始まった紅林の2021年。
開幕3戦目でプロ初ホームランをかっ飛ばすものの、この時期守備では完全に足を引っ張っていた。気分転換も兼ねた?サード守備でも、不注意でグラシアルにタッチアップを許す等、俺が紅林だったら、鬱すぎて明日球場行きたくなさすぎるなーって毎日思っていたあの頃。
だけども紅林はいい意味で図太い。そこからの成長スピードは凄かった。
9月中盤、正尚の離脱したチームは今季初の4連敗と勢いを失いかけていた。この時期、中嶋監督の試合後のコメントも何か焦りを感じられるものが多い気がした。
そして4連敗を喫した翌日の楽天戦、3番に紅林の名が。スタメン表見てニヤッとしたね。
そうそれだと、勝利と育成で勝ってきたチームじゃないか!と。そしてこの中嶋聡の大博打に、見事紅林は応えたよね。
特に印象的なのは9.22の日ハム戦の、走者一掃のスリーベース!この場面泣いたね。
紅林の覚醒はほんと嬉しかった。
ここ10年のオリックスの事を思い出すと、チームが弱いしレギュラーと呼べる選手も少ないから、若手にチャンスがたくさんあったはずなのに、芽が出てこない若手ばかりだったし、ある程度我慢の起用をしても、それに応えられない選手と、痺れをすぐ切らしてしまう首脳陣。毎年そんな感じで翌年への上澄み殆ど皆無。
我慢し続けた中嶋と、それに応えた紅林。両者に拍手喝采である。
だからこそ!だからこそね!千賀のデッドボールは、許せなかった。ウチの大事な大事な戦力に何してくれてるんじゃと。
もう今シーズン終わったと思ったよ。
でもすぐ帰ってきてくれた!感動したわ。
今シーズン最終戦は、開幕戦足を引っ張りまくった由伸への恩返しのファインプレー&打点2。
心身共に強い選手だわ。
日本シリーズでは実況も「紅林のところに飛べば安心ですね」だと。なんか開幕時の事を思い出すと、凄すぎて笑ってしまったわ。
もう向こう10年オリックスのショートのレギュラーは紅林だ。
そのあとの10年はサードのレギュラーな。

スティーブン・モヤ
20年シーズンは46試合とはいえ、.274 12本の成績を残しただけに、今期はかなり期待していたが、終わってみれば.229 13本。
インローの変化球空振りで追い込まれ、最後はアウトハイのストレートで三振というパターンが多く見られ、ドツボにハマってしまっていた。
ただここは軽打でいいぞという場面では、いい結果に繋がることも多くて、
9.29ロッテ戦のホームランや、10.7ハム戦での勝ち越しタイムリー等、試合を決める一打もあった。
10.7はラオウと91年コンビでお立ち台に上がり、夢や目標を口にすることの大切さを語り出したのも印象的だ。
ちょっとした個人的な自慢だが、日本シリーズ初戦が始まった時、「この試合のキーマンはモヤ。モヤ特有のストライクゾーンに奥川も戸惑うはず」と私は人に話していた。見事に当たりましたよね。リーグ優勝決まる2試合前に登録抹消された悔しさもあっただろう。一振りで結果出したね。
しかし、残念ながらモヤは21年限りで退団することになってしまった。
真面目な選手だと聞くし、ストロークの長い脚で二塁打なんか打つと立ち姿がカッコよかったし、まだ30歳。いつかまた日本で観たい選手だな。

安達了一
シーズン最終盤からポストシーズンまで、リミッター解除して試合に出てくれた。ただやっぱり限界を通り越しており、日本シリーズ5、6戦目はベンチ外に。
22年は安達をちゃんと休ませつつベストパフォーマンス出せるように、太田、宜保、野口、大城の突き上げが欲しい。
ようやく安達を下位打線に置くことができた。色んな仕掛けができる安達が下位にいると相手も嫌だろう。CS3戦目の9回の強攻なんかまさにそれだった。
セカンドの守備はショートの名手安達を見慣れてると、まだまだ安達らしくない。22年は名セカンド化を期待。

伏見寅威
キャッチャー伏見として、初めてフルシーズン出た21年シーズン、大事な試合でマスクを被ることで捕手として大きく成長した一年。
日本シリーズの最後の捕逸の悔しさはまた来年へのバネにしてほしい。
捕手としての仕事が大変だったのはわかるが、打率.218のバッターでは無い。22年は.250は最低ライン。

若月健矢
前半戦はベンチを温めることも多かったが、シーズン後半はその存在感、安心感を示した。試合に出られなかった時間を若月は無駄にしなかった。伏見と若月、この二枚体制が上手く機能したことも優勝の要因だった。
打率はいつもの若月だけど140打席で5本塁打は良いんじゃないかね。

太田椋
開幕スタメンとして始まった今シーズン。一軍でも結果を残せず、二軍でもなかなか成績が上がらない苦しいシーズンだったろう。
だが9.30のあの同点ホームラン、日本シリーズ第5戦のスリーベース。もがき苦しんだ先で、彼は値千金の一打を放ってみせた。
第5戦三塁ベースに到達して、笑顔でガッツポーズしたところは俺も泣きそうになったな。
22年一番期待する選手は太田だ。少なくとも安達と併用で半レギュラーの位置には持ってこないといけない。んで23年には完全なレギュラーセカンド。そのための大事な一年になるね。

アダム・ジョーンズ
72試合.234 4本 23打点 年俸4億4千万
全力で走れない、守備は草野球。
これだけ見ると野球史に残る糞外国人と言われてもおかしくないが、彼は間違いなくファンの心に残る神助っ人だった。
ジョーンズの一打で勝った、もしくは負けなかった試合がどのくらいあっただろう。
「野球はゲームだから楽しむことが大事」と言い放ち、スタメンじゃなくても腐らず、イニング感のキャッチボールの相手になったり、ベンチではマスコット役として盛り上げたり、打席に立てば一塁審判を指差して楽しむ。
いかなる場合でも野球を楽しむ。そこにブレがない、不動の心を手に入れている彼だからこそ、代打で出てきて不利なカウントになっても、勝負に行ける。
日本シリーズ第5戦、ジョーンズが出てきた時、「ジョーンズは外国人相手ならホームランあるぞ」と俺は期待した。レフトスタンドに突き刺さった彼の日本でのラストアーチは忘れることができないだろう。 
「オリックスを優勝させる」と豪語して来日してきた。その頃我々が期待したのは、4番バッターとして3割30本打って、チームを牽引する姿だった。彼自身はもうそのレベルの働きは出来なかったけど、3割30本打つ4番杉本に、成長するきっかけを与えたのはジョーンズだった。望んでたカタチとは違ったが、本当にジョーンズはオリックスを優勝させて帰っていったなぁ。
またいつか日本に戻ってきてほしい。その時はオリックスの新監督アダム・ジョーンズとして。