新型インフルエンザへの対応 | 藤原雄一郎の時事通信

新型インフルエンザへの対応

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新型インフルエンザへの対応


水際作戦の努力もむなしく、国内感染が発生しました。


結局、当初の「新型の鳥インフルエンザ(猛毒)を想定した極めて厳しい対応」が、国内感染の急拡大によって、対応の限界を突破し、結果として季節性インフルエンザ並の対応になってしまいました。そして国はそれを追認したかたちになっています。


このような事態を受けて、神戸地区では猛烈な風評被害が広まって、関係企業では大きな損害を被っています。


今回のことを振り返ってみると、真っ先に行うべきは「新型インフルエンザの毒性の見極め」であったと思います。日本は真っ先に発症したわけではありませんから、見極めの時間はあったと思います。季節性インフルエンザ程度であると、早く見極めることが出来たなら、それ相応の対応を取ることが出来たと思います。(毒性がないことを政府はいち早く把握しているはずです)


猛省すべきは節度のないマスコミの報道と、テレビの申し子、舛添大臣の、「ここが絶好のチャンスとの誇大なパフォーマンス」だと思います。


もともと官僚は「批判されること」を一番嫌います。現実的な対応で、リスクをなまじ取るよりは(出来るかどうかは二の次で)「一番厳格で、誰からも批判が出ない」方法を採用するものです。それに舛添大臣が便乗しました。手柄を独り占めしたかったのです。


そしてマスコミの過剰報道です。日本にとって初めての経験ですから、誰も正解はわかりません。でもそれを良いことに風評被害を膨大に拡大したのはマスコミ特にテレビです。


我が町神戸では、いわれのない風評被害で、観光業などはキャンセルの嵐です。身近にこのような実例を見て、今更ながらに風評被害の恐ろしさを感じました。「神戸は何だかとても恐ろしい所である」かの印象を振りまいていますが、そのど真ん中に住む私は、至って平静であることを知っています。


それにもかかわらず「舛添大臣の英雄気取り」と「マスコミの嵐のような情報の垂れ流し」がこれほどまでに悲惨な状況をもたらすことを実例で知りました。テレビで報道される世界と、現実の何と大きな落差でしょうか。とても恐ろしいことです。


神戸市当局は一番良くわかっている実務者が迅速に、かつ的確に情報を公開しています。慌てて総理大臣がCMに出てきたり、大臣が深夜に緊急会見をして点数を稼ぐが、的確な情報は流さない政府とは大きな違いがあります。


そして兵庫、大阪の知事はもっと現実的な対応を政府に対して要求する見事な役割分担です。現場のほうがよほど冷静だと思います。