報道は死んだ
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報道は死んだ
報道と称するモノが「目先の目立つことを針小棒大に捕らえて騒ぎ立てる」道具に堕落してしまったことを、ここ最近痛感しています。そしてその具体例を藤原通信でも何回か取り上げました。さらに具体例を述べます。
さて日銀が金利を0.1%に引きさげた時の某新聞のトップに「年金生活者に大打撃」との見出しが躍りました。たしかに年金生活者の預金金利が下がるのは困るでしょう。でも預金しているのは年金生活者だけではありません。また年金生活者が多額の預金をしているわけでもなく、頼りは「その名の通り」年金なのです。(多額の預金を持っているのは「富裕な年配者」で「年金生活者」とは「年金が頼りの年配者」です)
むしろ、現役世代のほうが打撃が大きいのです。年金生活者にとって一番恐ろしいのはインフレです。年金の価値がドンドン下がります。ところが今年前半にインフレ傾向にあったのが、リーマンショックでデフレに逆戻りです。私はホッとしています。
現役世代はリストラや給料カットで生活を脅かされます。逆に年金生活者はデフレで年金の価値があがり安定するです。預金金利の低下は現役世代の方が打撃が大きいのです。ですからこの見出しは完全に誤報です。
それから来年度の予算の概算額が決定しました。今年度より大幅増加です。でもそれに対する報道姿勢に問題があります。まず報道は基本スタンスを明確にしてから論評を加えるべきです。100年に一度と言われる危機に「財政規律をあくまで守るべき」なのか「ここは非常事態であるから、財政規律は一時的に放棄して財政出動をすべき」なのかを明確に報道は打ち出すべきです。
それによって予算を評価する姿勢に違いが出てきます。でもこのような大命題に報道は見解を今のところ示していません。そして「財使規律の実質的放棄」だとか問題点を叩くことに血道をあげています。「財使規律の実質的放棄」が良いことなのか、悪いことなのか、どこも結論を出していません。恐ろしくて結論が出せずに、ワイワイ政府の約束違反を責めあげるだけです。
私はついこの間のG20の会議で「各国政府が積極的な財政出動を行う」と約束したのですから、ここは「一旦財政規律を守ることを放棄してでも財政出動に打って出るべき」と思います。問題はその中味です。真に効果があるかどうかを見極めるべきです。定額給付金など希代の愚作だと思います。
与野党も党利党略をやめて政治休戦し、「経済回復に本当に効果のある財政出動」の中味に国をあげて知恵を絞るべきだと思います。来年早々の通常国会では本当に中味のある審議をして予算案を修正して欲しいと思いますが、まず絶望のようです。情けないことです。